下水道のしくみ

 絶え間なくはたらき続ける下水道施設。それぞれの役割と、下水がきれいになって川や海に放流されるしくみを説明します。

下水道のしくみ図

下水道とは?

 私達が使用している下水道は、大きく分けて「下水道管」「ポンプ場」「処理場」の3つの施設から成り立っています。

1.下水道管

 雨水と家庭などから出る汚水(雨水と汚水を併せて下水といいます)を集めて、下水処理場まで運ぶ役目をします。
 下水道管はこう配(傾斜)をつけて布設されており、下水が自然に流れて運ばれるしくみになっています。
 下水を運ぶしくみには、合流式と分流式の2種類があります。合流式とは、汚水と雨水を同じ管で運ぶ方式です。分流式は、汚水と雨水をそれぞれ別々の管で運ぶもので、汚水は下水処理場に運ばれ、そこできれいな水に処理されますが、雨水は河川などに直接放流されます。
 今治市では、昭和54年までの処理開始地区(主として市街地)は合流式ですが、その後は、一部を除き分流式となっています。

2.ポンプ場

 自然流下によって下水を流す下水道管は、埋設される場所が地下深くなると、工事費が高くなったり、維持管理が困難になります。そのため中継ポンプ場を設けて、下水を地表近くまで汲み上げ再び自然流下させます。また、ポンプの圧力を利用して、低いところから高いところへ下水を送ることもあります。
雨水ポンプ場は、台風や大雨のとき、下水道管に流れ込んだ雨水を汲み上げて、河川などに速やかに排除し、浸水を防ぐ役割を持っています。

3.下水処理場

 下水道管を通ってきた下水は、中継ポンプ場に入り、沈砂池で下水の中に含まれている大きなゴミや砂を取り除きます。その後ポンプで圧送され、下水処理場内の「着水井」に到着します。
そして、次のようないくつもの施設を通り抜けるあいだに、次第にきれいな水に生まれ変わっていきます。

最初沈殿池

 大きなゴミや砂を取り除かれた下水は、最初沈殿池に入ります。この中を3時間ほどかけてゆっくりと流れていくあいだに、沈砂池で沈まなかった小さなゴミが沈殿・分離します。底にたまったドロは汚泥処理施設へ送ります。

最初沈殿池

エアレーションタンク(反応槽)

 最初沈殿池を通った下水は、エアレーションタンクにはいります。ここで活性汚泥(微生物が入ったドロ)を加え、この微生物が活発に活動するように空気を吹き込みながら、8時間ほどかき混ぜます。

 このあいだに微生物は、空気中の酵素の助けをかりて、溶けている汚れ(有機物)をどんどん食べて重くなり、次第に沈殿しやすい大きな固まりとなります。

水をきれいにするしくみ

エアレーションタンク(反応槽)の写真

最終沈殿池

 エアレーションタンクで大きな固まりとなった活性汚泥は、この池で3時間ほどかけてゆっくり流すあいだに底に沈みます。そして上澄みのきれいな水が、消毒施設に送られます。

 沈殿した活性汚泥は、「たね汚泥」としてエアレーションタンクにもどし(返送汚泥)、余分な汚泥(余剰汚泥)は汚泥処理施設へ送られます。

最終沈殿池の写真

消毒施設(塩素混和池)

 最終沈殿池の上澄み水を、約15分ほどかけて消毒してから河川や海に放流します。消毒には、プールなどと同じように塩素が使用されます。

消毒施設(塩素混和池)の写真

汚泥処理施設

 最初沈殿池や最終沈殿池で集められた汚泥を、次の各施設で処理します。

濃縮タンク

送られてきた汚泥を、ゆっくり沈めて濃度を高め、量を少なくします。

消化タンク

発酵させ、それ以上腐らないようにします。このときに発生するメタンガスは、消化タンクの加温用ボイラーの燃料として再利用されています。

脱水機

汚泥に圧力を加え、水分をしぼり取ります。

消化タンクの写真
消化タンク

脱硫塔とガスタンクの写真
脱硫塔及びガスタンク

汚泥ホッパーの写真
(汚泥の積込み用)汚泥ホッパー

 こうして処理された汚泥(脱水汚泥といいます)は、愛媛県廃棄物処理センターに運ばれます。
ここでは、1200度以上の高温で焼却・溶融処理されて、舗装用のブロックやアスファルトの骨材などの土木建設資材として有効利用されています。

お問い合わせ

下水道工務課(下水道管理事務所)

電話番号:0898-23-5616
メール:gesuis@imabari-city.jp
〒794-0032 今治市天保山町4丁目6番地2 下水道管理事務所