施政方針・あいさつ集

市長招集あいさつ(令和3年9月定例会)

 本日、第5回定例会を招集いたしましたところ、議員各位のご参集を賜り、厚くお礼申し上げます。

 初めに、旧今治市の最後の市長であり、今治市と越智郡12市町村の合併協議会会長として新今治市の誕生にご尽力いただきました繁信順一氏が、7月にご逝去されました。
 繁信氏は、今治新都市整備計画の推進に力を注がれると同時に、瀬戸内しまなみ海道の全線開通に併せて、市内の幹線道路網や観光施設の整備に奔走され、本市の都市基盤の充実や地域産業の活性化に大きく寄与されました。

 ここに改めて繁信元市長のご功績に敬意を表しますとともに、衷心よりご冥福をお祈りを申し上げます。

 さて、新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかからない状況が続いてございます。今治市内におきましては、7月から8月にかけまして、118人の陽性が公表されております。
 これは、本市におけるこれまでの陽性者数の35%を占めておりまして、感染力の強いデルタ株の猛威により、これまでになく感染が急増していることがお分かりいただけると存じます。
 市民の皆様には、最大限の警戒と徹底した感染回避行動を重ねてお願い申し上げます。

 一方、ワクチン接種の状況でございますが、8月30日現在、12歳以上の1回目の接種を受けた方が57.2%、2回目の接種を受けた方は46.7%となっております。これについて少し補足をさせていただきますと、本市では、8月21日までに1回目の接種を受けた方を対象として、8月22日から9月11日までの期間で2回目の接種を行ってございます。
 そのため、1回目の接種率は1週間前の公表数値から1.4ポイントの伸びに留まっておりますが、2回目の接種率は6.4ポイントの上昇と、順調に推移してございますので、ご安心いただければと思います。

 医療機関や集団接種会場で接種にあたっていただいている皆様に心から感謝を申し上げますと共に、若い世代の感染が増えている状況を鑑み、重症化予防のためにも、現在ご案内している18歳以上の方々に対し、引き続き接種を呼びかけてまいりたいと考えております。
 先月、千葉県柏市で新型コロナウイルスに感染した妊婦さんの入院先が見つからず、自宅で出産して赤ちゃんが亡くなるという、大変痛ましい出来事がありました。
 愛媛県では、感染が確認された妊婦さんについては医療機関との連携体制がしっかりと確保されておりますが、長引くコロナ禍で不安な思いをされている妊婦さんに少しでも安心をお届けしたい、そのような思いで、本市における対応を今治市医師会と協議し、ワクチン接種後に体調不良がみられる妊婦さんに対しては、産婦人科がしっかりとバックアップをすること、もし状態が悪化するようなことがあれば、速やかに医療機関に入院していただくことを共通認識として、申合せを行ったところでございます。
 さらに、医師会のご協力をいただきまして、今月4日、5日には、中央保健センターにおきまして、妊婦さんを対象に新型コロナワクチンの優先接種を実施させていただきます。現在150件を超えるご予約をいただいておりますが、接種を希望される方は、ぜひ、主治医に相談の上、ご予約をお願いいたしたいと存じます。尚、会場には産婦人科医もおられますので、どうぞご安心して接種を受けていただければと存じます。

 国内外における感染状況を鑑み、当面のイベントや催事について、開催の可否を検討せざるを得ない中で、10月に延期されておりましたバリシップ2021につきましては、先般ブース出展の中止が決定されたところでありますが、コロナ禍におきましても何が出来るのかという観点から、国際会議のオンライン開催などが検討されているやに伺っております。
 まさにこれからの市政運営におきましても、ウィズコロナに対応したあり方というものを常に模索しながら、時代に合わせて変容を図っていく姿勢が肝要であると感じているところでございます。

 そのような中、新しい今治市政の実現に向け、私が公約に掲げておりました「市民が真ん中相談センター」が一昨日8月30日に本庁第一別館1階にオープンいたしました。市民が真ん中の市政運営を目指す決意の表れであり、365日、市民の皆さんからご相談をお受けする、ワンストップの相談窓口でございます。
 今後、オンラインによる相談対応も検討中でございまして、市民の皆さんのご意見やご要望を反映しながら、より利用しやすい相談センターへと進化させてまいりたいと考えております。

 長引くコロナ禍により暗い世情が続く中、東京2020パラリンピックの舞台から大きな希望に満ちた爽やかな風が本市に舞い込みました。
 今治生まれ、今治育ちの水泳・山口尚秀選手が100メートル平泳ぎで自身の持つ世界記録を塗り替え、見事金メダルを獲得されるなど、期待どおりの素晴らしい躍動を見せてくれました。
 また、今回メダルには届きませんでしたが、全力を尽くし、戦い抜かれたアーチェリーの永野美穂選手にも、市民の皆さんと共に大きな拍手をお送りすると同時に、感動を届けていただいた両選手の健闘に、心からの感謝を申し上げたいと思ってございます。

 さて、今議会に提案いたしました案件は、補正予算案1件、条例案が3件、その他の議案が7件、報告案件2件の、合わせて13件でございます。

 今回の補正予算は、新型コロナ対策として、ワクチン接種の追加経費を計上しておりますほか、私が就任以来、力点を置いてまいりました広報広聴の強化、それから、しまなみ海道の通行料負担軽減に向けた、新たな視点からのアプローチの検討のための予算、また、島しょ部の分校存続を含め魅力向上に向けた地元の皆さんの取組を、精一杯応援していくための予算など、様々な事業費を盛り込んだところでございます。

 その主なものについて、お示しをさせていただきます。
 まず1つ目の「新型コロナウイルス感染症対策の強化」についてでございます。
 ワクチン接種体制維持調整のための追加経費を計上させていただいております。

 次に2つ目の「『市民が真ん中』のまちづくり」でございますが、広報広聴、市民への情報発信の充実強化に向けて、おでかけ市長室、市民が真ん中懇談会などの開催、市政広報番組の制作・放送を行うというものでございます。
 支所地域の住民や各種業界団体、また今治の将来を担う高校生の皆さんから、市政への率直なご意見、或いは地域や業界が抱える課題などをお聴きする中で、アフターコロナ時代を見据えたこれからの政策、今治市が進むべき方向性を共に描いていく、そういう場の創造でございます。

 3つ目の「瀬戸内クロスポイント構想の実現」に向けた取組でありますが、愛媛県の補助制度を活用した農業・漁業の担い手の育成、農産物の生産体制・競争力強化の取組を支援する各種補助金などを計上いたしております。

 続いて4つ目の「島と海と陸をつなぐ魅力あるまちづくり」でございます。
 生活道としてのしまなみ海道の通行料実質無料化を公約に掲げ、見果てぬ夢への挑戦が始まったところでございますが、しまなみ海道の利用促進、利活用という観点から、通行料の負担軽減策を検討する基礎資料として、しまなみ海道の利用実態などの分析を行いたいと考えております。

 5つ目は「ひとりひとりが輝く今治の創出」でございます。
 入学者数の減少で分校存続の危機に直面する、県立今治北高大三島分校、今治西高伯方分校でございますが、各校、地域と一体となって、島しょ部の小規模校ならではの魅力ある学校づくりに取り組んでおり、そうした姿が地域の大きな活力にもなってございます。
 先般、大三島に続いて伯方でも、分校存続に向けた対策協議会が立ち上がり、活動を加速させようとしている最中でありますが、本市といたしましても、地域の人材を地域で育て、そして地域で定着をさせていくためには、しまなみ地域にこの二つの学校が必要であるという強い思いで、新たな支援策を打ち出したものでございます。
 市職員の各高校OB有志によるサポートチームと教育委員会を中心に、対策協議会と生徒たちの活動を応援していくとともに、愛媛県教育委員会に対しましても、私が先頭に立って、機会あるごとに地元の熱い思い、取組を届けてまいりたいと考えております。
 それから、豊かな心を育む文化芸術体験事業でありますが、小学6年生の児童が坊っちゃん劇場でミュージカルを鑑賞する事業でございます。
 感染拡大の長期化で不自由な思いをしている子どもたちに生の舞台芸術に触れてもらうと同時に、バス会社、また坊っちゃん劇場への応援になればということで、企画したものでございます。

 最後に6つ目の「防災・減災で災害に強いまちづくり」では、県単がけ崩れ防災対策事業、7月中旬までに発生した大雨による水防応急復旧費を計上いたしております。
 以上が、今議会に提案をさせていただいた補正予算案の概要でございます。
 案件の詳細につきましては、後ほど土居副市長から説明をさせていただきますので、よろしくご審議いただきますようお願いを申し上げまして、開会のご挨拶とさせていただきます。
 どうぞよろしくお願いを申し上げます。

お問い合わせ

秘書広報課

電話番号:0898-36-1634
メール:hisyokouhou@imabari-city.jp
〒794-8511 今治市別宮町1丁目4番地1 本庁本館2階