令和5年 3月定例会

市長 提案理由説明(令和4年度補正予算)

 この度の定例市議会におきましては、令和4年度補正予算案、並びに令和5年度当初予算案をはじめ、当面する市政の重要案件につきましてご審議いただくこととなってございますので、よろしくお願い申し上げます。

 それでは、本日提案申し上げました案件のうち、令和4年度3月補正予算の主なものについて、ご説明申し上げます。

新型コロナウイルス感染症対策の強化とエネルギー価格・物価高騰対応

 まず、新型コロナウイルス感染症対策の強化とエネルギー価格・物価高騰対応でございますが、指定管理施設において、新型コロナウイルス感染拡大の影響により利用料金収入等が減少した施設の事業継続を支援するほか、野間馬の飼料価格の高騰に対応するための予算を計上してございます。
 対象はクアハウス今治、鈍川せせらぎ交流館、野間馬ハイランドの3つの施設でございます。

瀬戸内クロスポイント構想の実現

 次に、瀬戸内クロスポイント構想の実現でございます。
 9月補正予算にて計上いたしました、事業者の省エネ化等の取組を支援する「サステナブル・リカバリー設備投資支援事業費補助金」につきまして、7,000万円の枠に対して、約1億6,000万円の申請があったことを受け、市内事業者の課題解決に資する取組を更に支援するため、補助金の枠を拡大いたします。
 また、漁業を生業にされている皆さんの所得の向上など、漁業者の経営の安定に向け、愛媛県漁業協同組合今治支所の有する鮮度保持施設について、国の補助金を活用し、施設の改築にかかる支援をいたします。

島と海と陸をつなぐ魅力あるまちづくり

 続きまして、島と海と陸をつなぐ魅力あるまちづくりでございます。
 ふるさと納税制度を活用した、「FC今治サッカー専用スタジアム建設」プロジェクトにご賛同いただいた企業のほか、個人の皆様からいただいた寄附金につきまして、プロジェクトの趣旨に基づき、そのうち90%をスタジアム建設費用として事業者に助成するものでございます。
 なお、残る10%につきましては、本市のスポーツ振興に資する事業に活用させていただくこととなってございます。

 一方、市民の皆さんの暮らしをお支えするため、省エネ性能の高いLED照明器具等の購入にかかる 費用の一部を助成いたします。電力価格高騰による家庭の費用負担を軽減するとともに、ゼロエミッション社会への移行に向け、脱炭素化を推進するものでございます。

ひとりひとりが輝く今治の創出

 続きまして、ひとりひとりが輝く今治の創出におきましては、介護基盤の充実を図るため、老人福祉施設の防災改修事業といたしまして、非常用自家発電設備の整備を支援するものでございます。

 

 これらのほか、国、県の内示等に伴う事業費の補正、国庫負担金等の額の確定に伴う精算返納金などに加え、市有財産売払い代金を財政調整基金に積み立てるほか、一般会計、特別会計の繰越明許費など、所要の予算を計上してございます。

 この結果、今回の補正予算額は、一般会計が7億2,637万円、特別会計が1億2,891万4千円、全会計あわせて8億5,528万4千円でございまして、本年度予算の累計額は、全会計あわせて1,438億2,704万1千円となってございます。
 この補正予算の財源につきましては、国庫支出金、県支出金、市債などのほか、事業執行に伴う特定財源を充当することといたしております。

 以上が補正予算の概要でございますが、これらのほか、行政組織条例の一部を改正する条例案を提出してございます。

 以上で、令和4年度関係の議案の説明を終わらせていただきます。ご審議のほど、よろしくお願い申し上げます。

市長 提案理由説明(令和5年度当初予算)

 令和5年度当初予算の編成にあたりましては、多様化する課題に的確に対応する事業の推進と、持続可能な行財政基盤構築の両立を図るとともに、人口減少やウィズコロナなど、時代の変容に対応するDX・GXの取組に対し、スピード感をもって挑戦する積極的な新規施策を盛り込んだところでございます。
 その主なものについて、公約の7つの政策の柱に沿って、ご説明申し上げます。

1 ウィズコロナ対策と地域経済の立て直し

 まず1つ目のウィズコロナ対策と地域経済の立て直しでございます。
 ワクチンの追加接種を着実に進めてまいりますと共に、職場内感染による感染拡大を防ぐため、市内事業者に対し抗原検査キットの無償配布を行うほか、お年を召された方々が入所される施設や集団生活などへの対策により、5類への移行に安堵することなく、引き続き、あらゆる場面を想定した備えを講じてまいります。

2 「市民が真ん中」のまちづくり

 続いて2つ目「市民が真ん中」のまちづくりにおきましては、
 新たな組織体制により合併20周年記念事業の準備を進めるほか、市役所に行かなくてもオンラインで行政手続ができる環境の整備や「移動市役所」の導入実証を行うに加え、手書き不要のいわゆる「書かない窓口」を本庁に導入し、市民の皆さんの傍に寄り添う市役所を目指してまいります。
 また、伯方支所移転後の跡地利用に対して地元自治会よりご提案いただいた、民間主導による「地域のにぎわい拠点づくり」に向け、跡地の一部を売却し進めることとし、これと合わせて敷地内に残る公民館および体育館を解体・再築するための債務負担行為予算を計上しています。民間活力を活かし、地域活性化の起爆剤となるよう一体的な利用環境の整備を進めてまいります。

3 デジタル化の加速・スマートシティ今治の推進

 3つ目のデジタル化の加速・スマートシティ今治の推進では、今年度策定する「今治市デジタル未来戦略」に基づき、市民・企業・行政など、多様な主体が協力しながら、それぞれの立場で“スマートシティ今治”の実現に取り組む「今治市デジタル戦略会議」を設置し、地域一体でデジタル力の底上げを図り、デジタル実装を加速してまいります。
 また、新たな取組として、職をお求めの方や市内で働く皆さんを、今後ますます活用が見込まれる「デジタル人材」へと育成するリスキリング支援により、市民リテラシーの向上と、良質で安定的な雇用の創出につなげてまいります。

4 瀬戸内クロスポイント構想の実現

 4つ目は瀬戸内クロスポイント構想の実現でございます。
 合同企業説明会「バリターン・ミーティング」を開催し、学生のUターン就職と企業の人材確保を支援するほか、合同インターンシップを通じ、学生と若手社員が共同して企業の紹介映像を制作することで、映像づくりのノウハウを学ぶ機会を提供し、企業の魅力の深堀りにもつなげてまいりたいと考えています。
 また、今治ブランド戦略会議を主体に、ライブコマースでの「デジタル今治ツアーPR」を展開するなど、新たな手法で地域資源の価値を着実に高めてまいります。
 観光におきましては、本市へのワーケーションの誘致に取り組むほか、MICEの誘致、更にはせとうちみなとマルシェの持続的な発展と定着に向けた側面支援を実施するに加え、「今治サイクルシティ構想」を核とする広域観光を強力に推進し、「滞在型」観光への転換と実需の創出を図ります。

5 島と海と陸をつなぐ魅力あるまちづくり

 続いて5つ目の島と海と陸をつなぐ魅力あるまちづくりでは、公共施設の再編・再配置や、まちなかの回遊性向上の検討を進めるとともに、東京藝術大学との連携により、アーティストが地域と交流しながら空き店舗で作品制作を行うなど、まちなかへの魅力創出と新しい文化の醸成を図ります。
 また、魅力ある持続可能な地域づくりを促進するため、「鈍川温泉の魅力高度化」の取組を支援するほか、1月に誕生いたしました「今治里山スタジアム」に365日賑わいを創出するための仕掛けづくりを行います。
 GXの推進に向けては、グリーンエネルギー活用促進への機運醸成に向け、地元企業対象のシンポジウムを開催する一方で、民間による公共施設への 太陽光発電設備設置事業のほか、自営設置の可能性調査と基本設計など、「エネルギーの地産地消」を推進する取組を進めてまいります。
 文化・スポーツのまちづくりでは、年齢や障がいの有無に関わらず誰もが気軽にチャレンジできる「eスポーツ」を活用し、交流を育みながら楽しんで健康づくりに取り組める、そんな環境を創出してまいります。

6 ひとりひとりが輝く今治の創出

 6つ目のひとりひとりが輝く今治の創出におきましては、
 今治版ネウボラ拠点施設のフレームについて、市民の皆さんと一緒に考えていくため、基本計画の策定に取り組むとともに、そのサテライト機能をいち早く発現させるため、安全な遊び場として、大型公園に乳幼児専用エリアを順次整備してまいります。
 続いて、安心して子育てできる環境づくりに向けた取組でございますが、医療費助成の対象を18歳年度末までに拡大するほか、受験や就職を控えた中学3年生、高校3年生世代を対象としたインフルエンザ予防接種助成を開始し、さらには食材高騰による学校や保育所等での給食費の保護者負担への影響を生じさせないための取組を継続いたします。
 そのほか、4月に予定するパートナーシップ宣誓制度の導入をはじめ、今治版レディース会議の開催など、共生社会を推進する新たな取組をスタートさせてまいります。

7 防災・減災対策で災害に強いまちづくり

 最後に7つ目の防災・減災対策で災害に強いまちづくりにつきましては、災害時の避難支援の実効性を高めるため、地域や個人の実態に即した個別避難計画の作成を進めるほか、防災意識の高揚に向け、市民の皆さんが消防とふれあう機会を創出するとともに、新たに中山間部や島しょ部などの地域特性に応じた広域避難訓練を実施し、地域防災力の向上につなげ、誰もが安心して暮らせる地域社会の実現を図ってまいります。

 

 これらのほか、9つの特別会計と、4つの公営企業会計におきまして、それぞれ所要の予算を計上してございます。

 なお、当初予算の財源につきましては、国並びに県の支出金、市債などのほか、事業執行に伴う特定財源をそれぞれ充当することといたしております。

 代わって歳入についてでございます。市税収入については、前年度と比較して約5,000万円、0.3%増加の、約204億5,000万円を見込んでおります。
 また、交付税については、令和4年度に約13億4,000万円過大に交付を受けたことから、令和5年度の交付税額から同額を差し引き、前年度に比較して15億3,000万円の減少を見込んでいます。過大交付を受けた額は財政調整基金に積立てており、令和5年度に同額を取り崩すため、基金繰入金が約15億2,000万円増加する見込みとなってございます。
 その他、歳入において特徴的なものを挙げますと、地方消費税交付金について、個人消費が百貨店やスーパー、コンビニ等で堅調となってきていること、また、観光も緩やかに回復しつつあり、前年度と比較して3億円、8.3%増加の39億円を見込んでいます。
 一方で、臨時財政対策債発行可能額の減少により、市債収入が、約6億円の減少となっており、令和4年度の歳入歳出予算の収支見込みから、約27億6,000万円を繰越金として、当初予算の財源に計上しています。

 これらの結果、一般会計の予算規模は752億5,000万円、前年度と比較して5億3,000万円、0.7%増加してございます。
 一方、特別会計、企業会計を含めた全会計の予算規模は1,350億9,910万円、前年度と比較して5億900万円、0.4%の増加となったところでございます。

 以上が令和5年度当初予算の概要でございますが、これらのほか、伯方支所の仮移転に伴う支所の位置の変更や、水道料金の改定などの条例案のほか、財産の無償貸付にかかる議案などを提出してございます。

 以上で、本日ご提案申し上げました全ての議案の説明を終わらせていただきます。ご審議のほど、よろしくお願い申し上げます。

市長 追加提案理由説明(和解)

 それでは、本日ご提案申し上げました議案1件につきまして、提案理由をご説明申し上げます。
 議案第49号「和解について」でございます。
 昨年8月、富田ふ頭内におきまして、市のトップリフターを借り受けコンテナを運搬していた相手方が、側面から出てきたフォークリフトを避けようと急ブレーキをかけたところ、当該トップリフターが前のめりに転倒し破損したものでございます。
 損害賠償額は2,394万1,380円でございます。
 説明は以上でございます。ご審議のほど、よろしくお願い申し上げます。

市長 追加提案理由説明(人事案件)

 ただいま提案いたしました追加議案につきまして、一括してご説明申し上げます。
 まず、議案第50号「教育委員会委員の任命について」ご説明申し上げます。
 教育委員会委員4名のうち、「仁志川 由香里」委員の任期が令和5年3月26日をもって満了いたします。
 後任には、「野間 真美」氏を議会の同意を得て任命いたしたいと存じますので、よろしくお願い申し上げます。

 続きまして、議案第51号「固定資産評価審査委員会委員の選任について」ご説明申し上げます。
 固定資産評価審査委員会委員6名の任期が、令和5年3月31日をもって満了いたします。
「玉井 榮治」委員の後任に「越智 洋子」氏を、「木村 靜夫」委員、「鳥生 伸也」委員、「村越 卓郎」委員、「石丸 真智子」委員、「近藤 貞明」委員、以上5名の委員につきましては引き続き、議会の同意を得て選任いたしたいと存じますので、よろしくお願い申し上げます。

 最後に、議案第52号「人権擁護委員候補者の推薦について」ご説明申し上げます。
 人権擁護委員27名のうち、9名の任期が令和5年6月30日をもって満了し、1名が令和4年12月31日をもって退職いたしました。
 「志賀 啓二」委員、「馬越 義文」委員の後任に「村上 菊美」氏、「八木 千花」氏を、「神野 恵」委員、「白石 博章」委員、「長野 好文」委員、「關 亮子」委員、「中島 智佐子」委員、「金本 ひろみ」委員、「尾上 勝利」委員、「渡部 守」委員、以上8名の委員につきましては、引き続き、人権擁護委員候補者として、人権擁護委員法の規定によりまして、議会のご意見をお聞きし、法務大臣に推薦をいたしたいと存じますので、よろしくお願い申し上げます。
 以上でございます。

市長閉会あいさつ

 3月定例市議会の閉会にあたり、ご挨拶を申し上げます。
 議員各位におかれましては、今議会に提案いたしました諸案件につきまして、全て滞りなく議決を賜り、誠にありがとうございました。
 審議の過程で皆様からいただきましたご意見、ご提言につきましては、今後の市政運営にあたり、十分留意してまいりたいと存じます。
 また先ほどは、退職をいたします3名の部長に、万感の想いを皆様にお伝えする場所を与えていただき、木村議長をはじめ皆様の温かいご配慮に感謝を申し上げる次第でございます。

 去る11日に野間赳元参議院議員がご逝去されました。
 野間先生は、1972年から愛媛県議会議員を連続6期お務めいただいた後に、92年に参議院議員に初当選をされ、農林水産副大臣をはじめとする要職を歴任されるなど、2004年に政界を引退されるまで、長らく地元のみならず国政において多大な貢献をなされました。ご生前の数々のご功績を偲び、謹んで哀悼の意を表しご冥福をお祈りいたしますとともに、野間有造議員を含むご遺族の皆様にお悔やみを申し上げる次第でございます。

 今治圏域の新型コロナウイルスの感染状況についてでございますが、おかげをもちまして10万人当たりの1週間累計感染者の数は45名程度と減少傾向にございます。13日からは、マスク着用の考え方が見直され、個人の判断に委ねられることになりました。本人の意思に反してマスクの着脱を強いることがないよう、個人の主体的な判断が尊重されるよう、ご配慮をお願いいたします。
 一方で、医療機関や高齢者の施設、混雑したバスや電車などでは周囲の方に感染を広げないために、また、重症化リスクの高い方が感染拡大時に混雑した場所に行かれる際には、ご自身を守るために、引き続きマスクの着用にご協力を賜りますようお願い申し上げます。
 愛媛県におきましては今週の20日から、独自の警戒レベルを「感染警戒期」に引き下げる中、基本的な感染対策の日常化とオミクロン株対応ワクチンの接種に関して、これまでと同様の協力を呼び掛けており、加えて、8日に開催されました厚生労働省の専門家会合におきましては、感染症の「5類」移行後にも求められる“身近な感染対策”の見解を「新たな健康習慣」としてまとめ、「5つの基本」として示されてございます。
 その1つは「体調不安や症状があるときは自宅療養あるいは医療機関を受診すること」
 2つは「その場に応じたマスクの着用やせきエチケットの実施」
 3つ目は「3密を避けることと換気」
 4つ目に「手洗い」
 5つ目が「適度な運動と食事」
 でございます。
 これらの基本的な対策を、市民の皆さんお一人お一人が身に着けていただき、地域での感染症の流行状況にご関心をお持ちいただき、自らを感染症から防ぎ、身近な人を守る、ひいては社会を感染症から守るために、ご協力をお願い申し上げます。

 社会がウィズコロナへとシフトし、徐々に新たな日常が戻りつつある中、今議会におきまして、エネルギーをはじめ食材費などの価格高騰への対応として、給食費を据え置くなどの支援策を講じる一方で、水道事業におきましては、厳しい経営状況の中、これ以上、改定の時期を引き延ばすことはできないと判断し、負担を次の世代へ先送りすることのないよう、今回、料金改定をするという、大変苦渋の選択をさせていただきました。
 市民の皆さんにはご負担をお願いすることとなりますが、今後とも、安心・安全な今治の水を持続的に供給できますよう、水道事業の経営改善に取り組んでまいる所存でございますので、ご理解のほどよろしくお願い申し上げます。

 一方、国におきましては、令和5年度予算が審議されているところでございますが、一昨日に開かれました「物価・賃金・生活総合対策本部」におきまして、令和4年度予算の予備費を活用した新たな物価高騰対策として、自治体の判断で対策を進めることを可能とする「地方創生臨時交付金」に、1.2兆円を追加することが決定されております。このうち、低い所得の世帯への現金給付などの支援策が示されるなど、本市といたしましても動向を注視し、引き続き、愛媛県との連携を強固に、市議会の皆様にもお諮りをしながら、迅速かつ適切な対応に努めてまいります。
 併せまして、新年度予算に計上させていただきました重点施策を柱として、高度化、複雑化する課題を乗り越えるべく、「市民が真ん中」の基本姿勢のもと全庁一丸となり、謙虚に、謙虚に、全身全霊をかけて新年度の市政運営に臨んでまいる所存でございます。議員各位並びに市民の皆様におかれましては、市政推進のため一層のご理解、ご協力を賜りますようお願いを申し上げまして、閉会にあたってのご挨拶とさせていただきます。
 ありがとうございました。

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