令和6年 3月定例会

市長 提案理由説明(令和5年度補正予算)

 この度の定例市議会におきましては、令和5年度補正予算案、並びに令和6年度当初予算案をはじめ、当面する市政の重要案件につきましてご審議いただくこととなってございますので、よろしくお願い申し上げます。

 それでは、本日提案申し上げました案件のうち、令和5年度3月補正予算の主なものについて、私が公約に掲げる政策の柱に沿って、ご説明申し上げます。

ウィズコロナ対策と地域経済の立て直し

 まず、ウィズコロナ対策と地域経済の立て直しでございますが、
 指定管理施設において、エネルギー価格高騰の影響を受けた指定管理者を支援するほか、野間馬の飼料価格の高騰に対応するための予算を計上してございます。
 対象は、観光施設や体育施設など、合わせて24施設であり、財源は全額国庫補助金でございます。

瀬戸内クロスポイント構想の実現

 次に、瀬戸内クロスポイント構想の実現でございます。
 ありがたいことに、昨年6月に設立いたしました株式会社今治あきない商社の全国へのプロモーションにより、ふるさと納税が当初予算額を大幅に上回る見込みでございます。この、ふるさと納税の増加に伴う返礼品などの予算を計上するほか、
 鈍川温泉地区の魅力ある観光地づくりを促進するため、令和4年度に策定されたグランドデザインを基に、鈍川せせらぎ交流館に、「鈍川温泉地区インフォメーションセンター」を設置しようとするものでございます。12月7日に国の内示を受け、今回提案させていただくもので、周辺の民間事業者の取組と一体となり整備を進めてまいります。国庫補助金のほか、観光振興基金からの繰入金を事業の財源としてございます。

ひとりひとりが輝く今治の創出

 続きまして、ひとりひとりが輝く今治の創出でございます。
 昨年5月8日より、新型コロナウイルスが5類感染症に分類され、これまで公費負担であった医療費の自己負担3割分が発生することとなりました。このことにより、本市の医療費無償化の対象となる18歳以下の自己負担部分にかかる予算が不足し、補正が必要となったものでございます。
 このほか、障害福祉サービス費ならびに障害児支援事業費におきましては、利用件数の増加に伴う予算不足に対応するものでございます。

 これらのほか、国、県の内示等に伴う事業費の補正、国庫負担金等の額の確定に伴う精算返納金などに加え、財政調整基金、こども未来基金への積み立てや、一般会計、特別会計の繰越明許費など、所要の予算を計上してございます。

 この結果、今回の補正予算額は、一般会計が22億8,863万1千円、特別会計が 4億3,041万4千円、全会計あわせて27億1,904万5千円でございまして、本年度予算の累計額は、全会計あわせて1,440億3,963万9千円となってございます。
 この補正予算の財源につきましては、国庫支出金、県支出金、市債など、事業執行に伴う特定財源を充当することといたしております。

 以上が補正予算の概要でございますが、これらのほか、今治港富田地区のリーチスタッカーの更新に伴う財産の取得議案などを提出してございます。

 以上で、令和5年度関係の議案の説明を終わらせていただきます。ご審議のほど、よろしくお願い申し上げます。

市長 提案理由説明(令和6年度当初予算)

 令和6年度当初予算の編成にあたりましては、人口減少や物価高騰、能登半島地震を教訓とした防災・減災対策など、当面する諸課題に的確に対応する事業の推進と、持続可能な行財政基盤構築の両立を図るとともに、時代の変容に対応するDX・GXの取組にスピード感をもって挑戦する積極的な新規施策を盛り込んだところでございます。
 その主なものについて、私が公約に掲げる7つの政策の柱に沿ってご説明申し上げます。
 なお、先の施政方針に掲げた事業につきましても、全体として把握いただくため、重ねてご説明させていただきます。

1 直面する課題への対応

 まず1つ目の直面する課題への対応でございます。
 人口減少対策といたしまして、地方に興味がある市外の若者と、人手不足で困っている事業者をWEB上でマッチングさせるプラットフォームを活用することで、需要と供給を効果的に結びつけ、地域活性化と交流人口の拡大を図ります。加えて、今治にお越しいただいた皆さんにはレンタサイクル利用クーポンをプレゼントすることで、機を逃さず今治の魅力をしっかりと届けてまいります。
 物価高騰対策におきましては、4月から改定が予定されております学校給食費の値上げに対し、1食あたり20円の激変緩和措置を講じるのに合わせて、私立の保育所等に対しても同額を支援し、子育て世帯の負担を軽減してまいります。

 学校給食費につきましては、現在と同様に改定後においても近隣市等において最低の価格水準ではございますが、今回の措置により、更なる負担軽減を図ってまいります。
 いずれも国の「物価高騰対応 重点支援 地方創生臨時交付金」を活用するものでございます。
 働き方改革・2024年問題への対策も喫緊の課題でございます。
 特に支援が必要とされるトラック物流、ならびに建設業における働き方改革を促進するため、国の重点交付金を活用し、労働環境の改善や資格取得に対する助成など、業務効率化と人材確保に取り組む事業者を支援してまいります。
 そして、能登半島地震を教訓とした防災・減災対策といたしまして、一層の体制強化と災害時の備えの全面的な見直しを図ります。

2 「市民が真ん中」のまちづくり

 続いて2つ目の「市民が真ん中」のまちづくりにおきましては、
 先月より運行を開始しました移動市役所を、「市民が真ん中相談センター」の機能として新たに位置付け、オンライン相談や住民票等の証明交付、マイナンバーカード申請受付のほか、申請ナビを活用したオンライン申請などの多彩な機能を搭載し、支所周辺地域や商業施設等を巡回し、市民サービスの向上に努める一方で、
 広報広聴機能の強化に向け、魅力ある本市の情報を集約・編集する「魅力発信チーム」を新たに庁内で組織し情報の一元化を図り、県下に留まらず全国のメディアに情報を届けることで、今治の価値を最大化させる「戦略的情報発信プロジェクト」をスタートいたします。
 また、今月24日に予定する「今治市SDGs宣言」にあわせて、市内でSDGsに取り組む団体等の活動を一元的に把握できるプラットフォームをインターネット上に構築し、各団体の情報発信力の強化と活動の横展開を図り、組織間連携やSDGs運動が広がっていくような取組を推進してまいります。

 来年1月16日、合併から20周年を迎えます。去る1月28日のオープニングイベントで発足した「みらい発掘プロジェクト12」において、地域の異なる154名の隊員が一体となり、10年、20年先の持続的な地域の発展に繋がる仕組みづくりに向け、秋にはプロジェクトの中間報告を兼ねた市民交流会を予定してございます。
 1月には合併20周年を祝した記念式典を、3月には事業の締めくくりとして、プロジェクトの最終報告や市民参加型のイベントをグランドフィナーレという形で開催するほか、
 20周年関連イベントでは、20周年を機に、あらためて地域の魅力を再認識するための市域の周遊性を高めるスタンプラリーや、地域間連携の取組への支援、また、合併と同じ平成16年度に生まれた二十歳の新成人の皆さんを一斉にお祝いする合同成人式の開催などを予定するとともに、
 これからの20年、50年後も「ずっと住み続けたいまち」でありますよう、未来の今治につながる「文化芸術スポーツのまち」の土壌形成を目指し、「美術」「文化芸能」「音楽」「映像」「歴史」「スポーツ」の6つの分野に分け、それぞれの事業を全市一丸で取り組みます。

3 デジタル化の加速・スマートシティ今治の推進

 3つ目のデジタル化の加速・スマートシティ今治の推進では、
 デジタル地域通貨の導入実証と効果検証を行い、まちづくりのDXを強力に推進するほか、市役所での各種申請や届出について、スマートフォンやパソコンなどから、いつでもどこでも手続が行える、いわゆる「今治てのひら市役所」の取組を加速するため、現在ご利用可能な約60の手続から、さらに需要の高い20の手続について新たな申請フォームを作成し、行政のDXを加速させます。

4 瀬戸内クロスポイント構想の実現

 4つ目は瀬戸内クロスポイント構想の実現でございます。
 平成17年の合併により、日本最大の海事都市・今治が誕生しました。ますます厳しさを増す国際競争環境において、我が国の海事産業は高い技術力を武器に戦いを続ける中、次の20年を見据え、海事都市・今治が、ITという新たな武器を得て、DXや海事人材の確保、環境にも対応した技術開発など当面する諸課題を打開し、将来にわたって世界の中で競争力を維持し、発展を続けていくため、「海事都市発展ビジョン」を掲げ、進むべき方向性を打ち出してまいります。

 昨年6月には今治あきない商社を設立いたしました。地場産業振興センターの事業部門を商社に移管したことを契機として、同センターをイノベーション創出支援拠点へと進化させ、地場産業の競争力強化や人材育成の機能を強化してまいります。
 昨年10月にスタートした「今治イノベーションコンソーシアム」の拠点施設として、地場産業振興センター内に「今治イノベーションラボ」を立ち上げ、AIやロボットなど最先端技術を活用し、ものづくり企業の技術開発や生産工程の変革、販路開拓の取組を支援するほか、業務変革に役立つAIの知識や基本スキルを習得可能な講座等を開催し、企業のDX推進の担い手となるAI人材を育成してまいります。
 また、「もどろう今治!」を合言葉に、セカンドキャリアのUターン促進策として、親和性の高い首都圏在住の本市出身者のうち、25歳から35歳までの方を都内で開催する「今治の集い」に招待し、求人企業とのマッチングを通じて移住を促進するなど、移住定住施策の強化を図ってまいります。

 変わって、先月2日のことでございますが、スポーツ庁・文化庁・観光庁の3庁合同によります「スポーツ文化ツーリズムアワード2023」において、今治市の取組が大賞を受賞いたしました。これは、地域のスポーツと文化芸術資源を結び付け、世界に誇れる新たな観光資源として地域ブランドを確立し、地域経済の活性化を目指すことを目的としたものでございます。今治城を中心に、スリーデーマーチやサイクリングしまなみ などのイベントのほか、せとうちみなとマルシェでの地域ボランティアを活用した取組などが高く評価されたものでございます。
 地域資源を生かした観光振興に向け、この度の受賞を追い風として、本市に点在する豊かな自然を活用した様々なアクティビティや観光資源、サイクリング、文化・歴史、スポーツ等を活かした個々のコンテンツを結び「体験型観光コンテンツ」として磨き上げ、パッケージツアーとして造成することにより、「滞在型観光」への転換と国内外の誘客促進を図る一方で、外国人旅行者に対して満足度の高いガイドサービスを提供するため、市民ガイドである「地域通訳案内士」の養成を促進し、増加が見込まれるインバウンド観光客をお迎えする体制を整えてまいります。
 10月には、国際サイクリング大会「サイクリングしまなみ2024」が全8コースで、約3,500名の参加者をお迎えし開催される予定です。しまなみ・今治の魅力を心に焼き付けていただけるよう、しっかりとおもてなしをさせていただこうと思っています。
 また、安全安心な走行環境の確保に向け、JR今治駅からしまなみ海道へのアクセスルートとなる市道「北宝来近見線」の自転車通行空間の整備を現在進めているところです。ナショナルサイクルルートでのサイクリングを夢見て訪れる皆さんのためにも、早期完成を目指し整備の促進を図ります。

 農林水産業におきましては、今月予定する「オーガニックビレッジ宣言」を踏まえ、地産地消の推進、食育の推進、有機農業の振興の3つを柱とした事業を展開し、「いまばりオーガニック」ブランドを市内外にしっかりと発信するとともに、学校給食におきましても、本市ならではの取組であります「日本一おいしい給食プロジェクト」により、引き続き、学校給食運営委員会などへの支援を継続し、安全安心で良質な今治産の食材活用による食育の推進と、こどもたちの郷土愛の育成に努めてまいります。

5 島と海と陸をつなぐ魅力あるまちづくり

 続いて5つ目の島と海と陸をつなぐ魅力あるまちづくりでは、
 しまなみ海道通行料の実質無料化と利用促進につながる具体的かつ効果的な方策の検討に向け、全庁を挙げた検討組織「しまなみ海道通行料実質無料化推進会議」を設置するほか、中心市街地のまちづくりにおきまして、今年度作成する「中心市街地 公共空間デザイン戦略(素案)」などを基に、中心市街地におけるエリア別のネットワーク空間特性とアクティビティの分析、市民会議の開催や社会実験に向けた検討を行うとともに、まちづくり構想の将来ビジョンを実現するため、中期的な計画となる「今治市 中心市街地グランドデザイン(今治市中心市街地まちづくり基本計画)」を策定し、以後はそれを基に、官民連携による持続可能なまちづくりを実践してまいります。
 GXの推進に向けては、市内中小企業等が脱炭素化に向け取組を検討する中で生じる「初期コストの負担」や「ノウハウ不足」などの課題解決に向け、国が用意する設備投資の補助金活用に繋げられるよう、事業者に寄り添った伴走支援を行い、先行モデルを創出し横展開を図ることにより、産業界の脱炭素化を推進します。
 文化・スポーツのまちづくりにおきましては、スポーツパークにおいて、約1,000名が参加する「第2回モルックジャパンオープン」の開催を6月に予定するほか、7月には、昨年度 四国初開催となった「今治クリテリウム」を、今治商工会議所青年部のみなさんが再び誘致され、中心市街地を舞台に約200名の選手が駆け抜ける迫力のレースを体感いただけるなど、引き続き、魅力あるスポーツイベントの誘致に努めます。

6 ひとりひとりが輝く今治の創出

 6つ目のひとりひとりが輝く今治の創出におきましては、本市の豊かな自然環境への理解や、温かみのある木材とふれ合うことで豊かな心の形成を目指す「木育」を推進するにあたり、ウッドスタート宣言を行い、新生児への誕生のお祝いとして「木のおもちゃ」を贈呈するなど、新たにウッドスタート事業に取り組みます。
 また、移動型のおもちゃ美術館「木育キャラバン」を開催し、温もり溢れる良質な国内外の「木のおもちゃ体験」などにより、木育への機運醸成を図るとともに、子どもの頃から森や木との関わりを身近に感じていただけるような取組を進めてまいります。
 また一方で、今治版ネウボラを推進するにあたり、構想に掲げる拠点施設整備を補完するための先行事業といたしまして、今治版ネウボラの重点施策である「機能的なサテライト窓口」の4月以降の開設に向け、イオンモール今治新都市内に拠点を設置し、保育士や保健師、小児科医などとも連携した「多機能の子育て広場」を展開するのに加え、今治版ネウボラの遊び場サテライトとして、今年度から大型公園に順次整備している乳幼児専用エリア「すくすくガーデン」に加えて、仮称でありますが、「町谷きっずパーク」を整備し、安心して子育てできる環境を整えてまいります。皆さんに親しまれ、ともに育っていける憩いの場となるよう、こちらのネーミングはこどもたちにお願いしたいと考えています。
 そのほか、保育料の負担軽減による子育て支援といたしまして、第2子の保育料が半額となる「第1子の要件」について、現行の「未就学児」から「18歳未満」までに対象を拡大します。
 また、多様な生き方の尊重として、庁内に「終活サポートセンター」を設置し、福祉専門職が相談者に寄り添いながら、緊急連絡先やエンディングノート、遺言書の保管場所などを登録し、緊急時に病院や警察などの関係機関に対して、必要な情報を提供できる体制を構築するほか、
 「人生100年時代」に向けた幸齢社会の実現に向けては、老人クラブ会員の皆さんに、長引くコロナ禍にあって引きこもり気味なお年を召されたお一人暮らしの方のご自宅を訪問していただき、地域の高齢者サロンやクラブ活動の情報提供を行う事で、外出機会の創出や地域とのつながりを再構築し、合わせて地域の支え手としての老人クラブの、より一層の意識向上を図ってまいりたいと考えています。

7 防災・減災対策で災害に強いまちづくり

 最後に7つ目の防災・減災対策で災害に強いまちづくりにつきましては、
 災害発生時の避難支援において、避難経路等の記載を含む優先度の高い要支援者の個別避難計画について、今年度作成しているハイリスク層に続き、要支援1から要介護2の認定を受けているミドルリスク層を対象に進めるのに加え、高まる災害リスクに備え、新たに75歳以上のみの世帯となるローリスク層の計画作成を支援する取組をスタートさせ、作成の時期を早めるなど、避難支援体制の整備を加速させます。
 また、発災時に速やかにお薬を供給できる体制を確保するため、今治薬剤師会と協定を締結し、島しょ部をはじめ市内10か所の薬局に医薬品を備蓄し適正な管理を行っていただくことにより、迅速・確実な災害救護体制の構築を図ります。

 

 これらのほか、9つの特別会計と、4つの公営企業会計におきまして、それぞれ所要の予算を計上してございます。
なお、当初予算の財源につきましては、国庫支出金、県支出金、市債など、事業執行に伴う特定財源をそれぞれ充当することといたしております。

 変わって歳入でありますが、市税収入については、6月に実施する政府による定額減税の影響により、個人住民税が約5億6千万円減少する一方で、その減収分は国が措置することとなっていることから、それと同額を地方特例交付金に計上してございます。
 地方交付税につきましては、令和5年度の普通交付税額において、令和4年度の過大交付分が差し引かれていることに加え、近年の国税収入の増加等に伴い、前年度と比較して約19億円、10.7%の増加を見込んでいるほか、特徴的なものでは、市債収入において、事業費の増加などに伴い、約14億4,000万円、46%の増加となっています。

 これらの結果、一般会計の予算規模は777億円、前年度と比較して24億5,000万円、3.3%増加してございます。
 一方、特別会計、企業会計を含めた全ての会計の予算規模は1,374億1,310万円、前年度と比較して23億1,400万円、1.7%の増加となったところでございます。

 以上が令和6年度当初予算の概要でございますが、これらのほか、執行機関の附属機関の追加や、介護保険料率の改定などの条例案のほか、市営土地改良事業の施行にかかる議案などを提出してございます。

 

 以上で、本日ご提案申し上げました全ての議案の説明を終わらせていただきます。ご審議のほど、よろしくお願い申し上げます。

市長 追加提案理由説明(人事案件)

 ただいま提案いたしました追加議案につきまして、一括してご説明申し上げます。
 まず、議案第48号「固定資産評価員の選任について」でございます。
 宗方正幸 固定資産評価員から、令和6年3月31日をもって退任したいとの願い出がありました。後任に阿部孝文 現学校給食課長を議会の同意を得て選任いたしたいと存じますので、よろしくお願い申し上げます。

 続きまして、議案第49号「農業委員会委員の任命について」ご説明申し上げます。
 農業委員会委員24名のうち、大澤讓兒委員が令和5年8月2日に退職されました。後任に八木良太氏を、議会の同意を得て任命いたしたいと存じますので、よろしくお願い申し上げます。
 なお、農業委員会委員の任期は3年ですが、八木氏については、大澤委員の残任期間となります。

 最後に、議案第50号「人権擁護委員候補者の推薦について」でございます。
 人権擁護委員27名のうち、6名の任期が令和6年6月30日をもって満了いたします。
 矢野峰廣委員、稲田 守委員の後任に橋本直行氏、村上尚宣氏を、森 幸江委員、大成和幸委員、藤原喜久江委員、越智洋子委員、以上4名の委員につきましては、引き続き、人権擁護委員候補者として、人権擁護委員法の規定によりまして、議会のご意見をお聞きし、法務大臣に推薦をいたしたいと存じますので、よろしくお願い申し上げます。

市長閉会あいさつ

 3月定例市議会の閉会にあたりまして、ご挨拶を申し上げます。
 議員各位におかれましては、今議会に提案いたしました諸案件につきまして、全て滞りなく議決を賜り、誠にありがとうございました。
 審議の過程で皆様からいただきましたご意見、ご提言につきましては、今後の市政運営にあたり、十分留意してまいりたいと存じます。
 また先ほどは、役職定年となる3名の部長にあいさつの機会を与えていただきました。藤原議長をはじめ皆様の温かいご配慮に心から感謝を申し上げたいと思います。
 さて、新型コロナワクチンでございますが、現在、特例臨時接種として自己負担なしで実施しておりますワクチン接種は今月31日をもって終了し、4月以降は「定期接種」として、65歳以上の方などに対象を限定し、秋以降に接種を開始する予定となっております。
 振り返りますと、新型コロナウイルス感染症が日本で初めて確認されましたのは4年程前のことです。100年に1度のパンデミックとも言われたウイルスは瞬く間に蔓延し、医療現場では、従事者の皆さんが自身の感染リスクと常に隣り合わせの中、懸命に患者と向き合い、全力を尽くしていただきました。
 未知のウイルスとの戦いの中で、今治市におきましては今日まで3年余り、1度も途切れることなくワクチンの接種体制を維持し、希望する全ての方に対し速やかに接種を行うことができました。ひとえに、今治市医師会をはじめ、ご関係いただいた全ての方々のご尽力によるものと、改めて深甚なる感謝を申し上げます。

 各地で桜の開花が宣言され、穏やかな春の兆しを感じるようになりました。
 今から6年前、平成30年に岡山理科大学獣医学部が今治の地に開学しましてから、この度、初めての獣医師国家試験合格者が誕生しました。獣医学部空白地であった四国から77人もの合格者を生み出せたことは、将来の獣医療の発展に向けた大きな一歩であると考えています。
 合格された皆さんの、弛まぬ努力とご熱意に敬意を表しますとともに、彼らが地域社会に貢献し、さらには国際的な視野を持った獣医師として国内外で活躍されることを心から願っています。

 卒業と新たなスタートのシーズン、夢と希望を胸に、これから進学・就職といった新しいステージへと歩みを進める皆さんお一人おひとりに、心からなるエールを贈りたいと存じます。
 今治を離れる皆さん、どうか覚えておいてください。ご家族、そして私たちふるさとの仲間がいつもあなた方を応援しておりますことを。
 今治の希望であるあなたたちの姿を浮かべながら、私たちは絶えず、唯一無二の、今治にしかないこのまちの良さを活かした「持続可能な魅力ある地域づくり」への挑戦を続けてまいります。

 一方、国におきましては現在、令和6年度予算が審議されているところでありますが、コロナ禍からの平時回帰を図る中で編成された予算案の規模は、前年度に次ぐ過去2番目の大きさとなる見込みでございます。
 経済の好循環の起点となる賃上げの実現や、こども・子育て政策の強化、DX・GXの推進といった重要課題への対応が盛り込まれる中、本市といたしましても、国の動向にも注視をしながら愛媛県との連携を強固に、新年度予算に計上させていただきました重点施策を柱として、新たな20年の魅力ある今治を創造するべく、ぬくもりのある「市民が真ん中」の基本姿勢のもと、全身全霊をかけて新年度の市政運営に臨んでまいる所存でございます。

 11年前、この愛する今治を大きな雲が襲っていました。平成25年6月、私は愛媛県議会の一般質問に登壇をさせていただきました。当時の政治背景は、菅市長そして平田議長、議場の皆さん方が、本市の財政基盤にも関わる合併算定替えという非常に大きな問題に直面をし、加えて、合併10周年という節目の年でもございました。私を今支えていただいている土居副市長は、愛媛県の東予地方局今治支局長であったと思っております。瀬戸内しまのわ2014が、あと9ヶ月で開催されるという時でありました。その際、私が一般質問の最後に、次のようなお話をさせていただきました。
 これまで、ここ愛媛を座標軸に地方の繁栄という坂の上の雲を追い求め、活動をしてまいりました。その中でとりわけ印象的な出来事の一つに、12の家族が一つとなった平成の大家族、今治家の誕生があります。
 合併前のコンパクトなエリアの家族には、それぞれに行き届いた行政サービスがあり、地域のきずなという糸が、縦横に織りなすコミュニティがそこにはありました。しかし、人口減少時代の到来を目前に、また、国策の「帰らざる河」であった時流を背に、それぞれの家族は不安を抱えながらも地域のさらなる将来に夢を託し、今治家は誕生したのです。
 その誕生から10年を目前とした今、普通交付税の合併算定替えという大きな激震が暗い影を落としています。確かに合併当初からこうなることはわかっていました。しかし、制度設計された10年前と根本的に異なるのは、現在の地方の窮状であり、合併によって生じた広域化、多極化する住民ニーズにどう対応するのかという難題に加え、東日本大震災からの教訓でもある防災・減災といった新しい課題なども横たわっています。
 現状でさえ乾いた今治タオルから、さらに乾き切ったタオルを絞るがごとく、行財政改革を推し進め、財政的に帳尻を合わせたふるさとの将来に一体何が待っているのでしょうか。それは、心の乾き切った市民の存在ではないかと憂うのです。
 自らの身を投げ打ってまで平成の大合併にご尽力いただいた先輩方から、祈りを込めたバトンを託された私どもは、今こそ国会議員、県会議員、市町村会議員、そうした立場や党派を乗り越え、チーム愛媛として一丸となり、国に向け、地方の実態に即した制度設計の必要性を強く要請するなど、ふるさとに対する思いを体現しなければなりません。
 また、県におかれましても、市町との連携を一層強化させていただく中で、地域の行き場のない震える声に耳を傾けていただき、ともに歩んでいただきますよう心からお願い申し上げたいという言葉でありました。

 これまで20年間、様々な皆さんにお世話になってまいりました。報恩感謝の気持ちでいっぱいでございます。この20年、多くの皆さんにお世話になったその気持ちを、これから、後から続いてくるかわいいものたちのために、愛する今治を残していくために、しっかりとつないでいく、そんな佳節の1年にしたいと思っております。
 議員各位におかれましては、まだまだ稚拙な市長でありますので、絶えずご指導いただきますよう、そして後押しをいただきますよう心よりお願い申し上げまして、閉会にあたってのご挨拶とさせていただきます。
 ありがとうございました。

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