令和6年 6月定例会
市長招集あいさつ
本日、第3回定例会を招集いたしましたところ、議員各位のご参集を賜り、厚く感謝申し上げます。
まず初めに、このたび全国市議会議長会より、平田秀夫議員、近藤博議員が25年在職議員として、また、藤原秀博議長、越智忍議員、野間有造議員、山岡健一議員が15年在職議員として表彰の栄に浴され、木村文広議員が評議員として感謝状を受けられました。長きにわたって本当にお疲れ様です。あらためてお喜びを申し上げ、今後ますますのご健勝とご活躍をご祈念申し上げますと共に、市政発展のため、一層のご支援を賜りますようお願い申し上げます。
さて、先月21日、本市消防職員が「公然わいせつ容疑」で逮捕されるという事案が発生いたしました。市民の安全・安心を守るべき消防職員が、このような事態を発生させたことは誠に遺憾であり、市民の皆様に深くお詫びを申し上げます。今後は、事実関係を早急に確認の上で、厳正に対処してまいります。
消防におきましては、一昨年、複数の職員が部下に対しパワーハラスメントを繰り返していたことが判明するなど、不祥事が頻発したことから、消防組織の膿を出し切るため、さまざまな改革を進めているところでありますが、こうした最中での今回の事案発生ということで、事態を重く受け止めるとともに、今後、職場の土壌改良をより丁寧に、また一層加速するよう努めてまいります。
6月に入り、最初の休日となりました1日、2日は、日本モルック協会、愛媛県モルック協会、今治市の主催によります「第2回モルックジャパンオープン」が市営スポーツパークテニスコートで開催されました。初夏を感じる大変すばらしい晴天の下、全国そして香港から251チーム、1,003名のご参加をいただく中で、歓声を上げ、時に緩く、時に真剣な眼差しで競い合い、また、競技会場隣のサッカー場では、ふれあいイベント「からだうごかそう!フェスタ」を開催するなど、多くの方(来場者約1,700名)が奥深いモルックの魅力に触れ、汗を流していただきました。参加いただいた皆さんからは、大変すばらしい大会であったと、そして素晴らしい地域であったと、そのような感想をお寄せいただいてございます。今後、老若男女、ハンデの有無に関わらず手軽に楽しめるモルックをとおして、市民の皆さんの健康づくりのみならず、コミュニティの輪が広がっていくことを期待しています。
また、時を同じくして、モルック会場と道を隔てたイオンモール今治新都市において「木育キャラバンin今治」を開催し、あわせて全国の木育推進を牽引する東京おもちゃ美術館と「ウッドスタート宣言」を行い、更には、イオンモール株式会社を加えた3者により、愛媛県では初となる、今後の「木のおもちゃ美術館」設立に向けた協定を締結しました。
大人、子どもを問わず目を輝かせ、様々な木のおもちゃに触れ親しむ様子に、今治の素晴らしい森を、自然環境を、これから20年、50年先に繋いでいきたい気持ちを改めて強くしたところです。
続いてのご報告ですが、先月、5月10日は「コットンの日」でございました。
「鎌倉シャツ」の愛称で多くの方に親しまれている企業「メーカーズシャツ鎌倉」が、市内で栽培される綿の高級品種「超長綿」から、糸、生地、そしてシャツを作る「しまなみコットンプロジェクト」を、去る「コットンの日」に立ち上げ、市内で初植祭を開催していただきました。
この「超長綿」は、流通量が極めて少なく、一般的な綿の3倍から4倍の価格で取引されており、日本では栽培が難しいとも言われていたところ、市内の農業生産法人「しまなみコットンファーム」が有機栽培に成功し、「しまなみコットン」と名付けられました。
メーカーズシャツ鎌倉の代表からは、「しまなみコットンの栽培を全国に広げるとともに、原料・素材の調達から縫製まで、瀬戸内海沿岸でサプライチェーンを完結させる、いわゆる瀬戸内コットンベルト構想を掲げ、製造過程での二酸化炭素排出量を抑える環境負荷低減や休耕田活用のメッセージを発信していきたい」といったお話もお聞きしており、昨年度、ゼロカーボンシティ宣言に続きSDGs宣言、更にはオーガニックビレッジ宣言を行った本市におきましては、今治をマザーファームとして取り組んでいただく「しまなみコットンプロジェクト」に非常に大きな期待を寄せており、所々でこうした様々な新しい風が、今治の中に吹き込んでいることを頼もしく思っています。
5月に初植えされた「しまなみコットン」は、今年の11月に収穫され、素材から縫製に至るまで「オール・メード・イン・ジャパン」のプレミアムなドレスシャツとして、来年秋に販売される予定でございます。
一方、ここのところ厳しい闘いが続くFC今治ですが、先月16日、Jリーグ60クラブの社会連携活動の優れた取組を表彰する「シャレン!アウォーズ」において、地域の課題解決に挑むソーシャルチャレンジャー賞を受賞されました。本拠地のアシックス里山スタジアムに、障がい福祉サービスを提供する複合福祉施設「コミュニティビレッジきとなる」を併設し、施設利用者にはFC今治が運営するカフェの店舗運営サポートの担当をしてもらうなど、スタジアムを拠点とした、正に共生社会をリードする取組が評価されたものでございます。インクルーシブ社会の実現に向け、今後とも様々なふれあいの機会の創出と、心の豊かさを大切にするまちづくりを、ともに進めていただけることを願っています。
加えてスポーツの話題では、すでにパリ・パラリンピック競泳への出場が内定し、東京大会に続く2連覇に挑む山口尚秀選手に続き、4月にキルギスで行われたレスリングのパリ・オリンピックアジア予選において、男子グレコローマンスタイル67キロ級の曽我部京太郎選手がオリンピック代表に内定しました。曽我部選手は、今治西高在学中にえひめ国体で初優勝し、国体3連覇を達成され、日本体育大学へ進学後も国際大会で優勝するなど着実に実力をつけ、今回、初めてのオリンピックに臨みます。
ともに、世界最高峰となるスポーツの祭典への出場を目指し、これまでコロナ禍にありながら、何事も人一倍を体現し、想像を絶する努力を重ねてこられたものと存じます。お二人のご活躍が私たち今治市民に大きな、大きな希望と勇気を与えていただいていることに感謝申し上げますとともに、夢の舞台での健闘を心からお祈りしています。今治を、日の丸を背負って大暴れしてきてください。
さて、新型コロナウイルス感染症の位置付けが5類に変更され1年が経過いたしました。
本市におきましても、市内各地で様々なイベントが開催され多くの方にお越しをいただくなど、ようやく日常の生活が戻ってまいりました。私も地域の運動会や春祭りにお邪魔しましたが、子どもたちの笑顔や迫力ある継獅子が多くの方々を魅了しておりました。こうした地域の宝が、合併20周年記念事業によって磨かれ、一層輝きが増すことを期待しているところです。
一方で、新型コロナは依然として流行の波を繰り返しています。重症化リスクの高い方は特に注意が必要なため、秋からは高齢者や基礎疾患のある方を対象とした定期接種の実施を予定しております。
幸い、市内の感染状況は低い水準で推移しておりますが、市民の皆さんにおかれましては、必要な場面でのマスクの着用や手洗い、換気などの基本的な感染対策にご留意いただきますようお願いいたします。
また、電気・ガスなどのエネルギーをはじめ、食料品等の価格上昇が、市民の暮らしを依然、厳しいものとしています。
こうした状況を踏まえ、国においては今月から1人当たり4万円の所得税、個人住民税の「定額減税」を実施することとなっており、このうち、納税額が少なく満額の減税が受けられない方々への救済策として、差額分が「調整給付」されることとなりました。
加えて、昨年度、住民税の非課税世帯や均等割のみ課税世帯に対して「低所得世帯支援給付金」10万円を支給させていただきましたが、今年度新たに対象となった世帯に対しても10万円の給付金を支給するための費用、さらには、18歳以下の児童1人あたり5万円の子育て世帯加算費用、これら3つの事業を合わせて、総額17億400万円の補正予算を5月17日付で専決処分させていただいたところであり、対象となる方々に速やかに必要な支援が行き渡るよう準備を進めているところです。
こうした予算に加え、本定例会におきましては、課題となる少子化対策をはじめ、地域資源を生かした観光振興、教育環境の充実に向けた施策などについてご提案させていただいてございます。
持続可能なまちづくりを一歩でも前に、市民の幸せを一つでも多く実現できるよう、引き続き、全庁一丸で取り組んでまいりますので、議員各位におかれましても、一層のご理解とご協力をお願い申し上げまして、開会のご挨拶とさせていただきます。
市長 提案理由説明
この度の定例市議会におきましては、令和6年度補正予算案をはじめ、当面する市政の諸案件につきましてご審議いただくこととなってございますので、よろしくお願い申し上げます。
先般、有識者でつくる「人口戦略会議」が消滅可能性都市の一覧を公表いたしました。これは、2050年までの30年間で、若年女性人口が半数以下になる自治体を抽出したもので、全国の自治体の40%超に当たる744自治体が「消滅可能性都市」とされました。
今治市は、10年前、日本創成会議が発表した「消滅可能性都市」にリストアップされていましたが、今回は、子育て施策や移住施策などの効果もあって、何とか「消滅可能性都市からの脱却」が図られた次第であります。
しかしながら、昨年の12月に「国立社会保障・人口問題研究所」が発表した将来推計人口によりますと、現在15万弱の今治の人口は2050年には10万人を割り込むという厳しい現実が示されております。
こうした状況を踏まえ、本定例会におきましては、引き続き「えひめ人口減少対策重点戦略」に基づく交付金を活用した愛媛県との連携による少子化対策を積極的に展開するのに加え、先般策定・公表いたしました「(仮称)今治版ネウボラ拠点施設整備基本計画」に基づく予算のほか、相次ぐ大規模地震の検証を踏まえての緊急対策、また一方で、地域資源を生かした観光振興や教育環境の充実など、直面する課題への対応と、更なる今治の魅力創出に向けた、積極的な施策をご提案させていただいてございます。
それでは、その主なものにつきまして、私が公約に掲げる政策の柱に沿って、ご説明申し上げます。
直面する課題への対応
まず、直面する課題への対応でございます。
人口減少対策におきましては、「えひめ人口減少対策総合交付金」を活用し、結婚から育児までの切れ目のない支援を実施いたします。
その一つは、結婚を後押しするため、新婚生活を始めるにあたり必要となる一時的な費用を支援することで、結婚をしやすい環境の整備を図るものでございまして、国の制度に基づき、夫婦ともに39歳以下で令和6年1月1日から7年3月31日の間に婚姻した世帯を対象に、住宅取得に要する費用のほか、住宅のリフォーム費用、賃貸住宅の契約にかかる費用、引越費用について助成いたします。
更には、安心して妊娠・出産できる環境を整備するため、妊娠36週から出産後1月までの期間において、妊産婦が健診もしくは出産のためにタクシーを利用した場合に、その料金を助成しようとするものでございます。
市内の産婦人科が陸地部の2院のみとなる中、島しょ部にお住まいの方に対しては、しまなみの通行料金を含めた「実質的な負担軽減」を図ってまいります。
大規模地震を教訓とした防災・減災対策
次に、大規模地震を教訓とした防災・減災対策といたしまして、能登半島地震を教訓とした防災・減災につきましては、本年度当初予算においてしっかりと対策を講じたところですが、その後の職員派遣等による被災地での検証結果、さらには、4月に発生した南予地方を震源とする強い地震での被害状況を基に、本市においても早急に対策が必要となるものについて、追加で計上するものでございます。
一つは、南予地域において地震発生時に大規模な体育館やホールの吊り天井が落下したという事態を踏まえ、本市においても有事の際の市民の安全安心を確保するため、高さ6mかつ面積200㎡を超える吊り天井を有する指定一般避難所5施設について、あらためて緊急点検を実施いたします。
また一つは、能登半島地震の救助活動において、通信設備の損傷に伴い通信障害が発生した際に、人工衛星による情報通信が可能である「スターリンク」の有用性が改めて認識されたところであります。本市におきましても災害時に孤立集落が発生した場合、まずは通信手段の確保を図ることが重要であるため、スターリンクの導入により迅速な対応につなげたいと考えています。
瀬戸内クロスポイント構想の実現
続いて、瀬戸内クロスポイント構想の実現におきましては、しまなみ海道随一の眺望を誇る「亀老山展望公園」エリア一帯について、魅力向上策の第一段階として、隈研吾先生の設計による展望台の床面改修のほか、駐車場等の周辺整備を一体的に実施し、インバウンドを含む、更なる観光誘客を図ります。
また、文化庁の「スポーツ文化ツーリズムアワード2023」でスポーツ文化ツーリズム賞、いわゆるグランプリを受賞した『日本最強の城「今治城」を中心にしたスポーツ文化ツーリズム』の取組を、インバウンド向けにブラッシュアップするため、11月6日、7日の2日間、今治城を夜間特別開放して「本格的な歌舞伎」を上演することが決定いたしました。費用は全額観光庁からの受託事業として実施予定です。
なお、11月5日から7日までの3日間、「第12回 国際自転車安全会議」が今治市で開催されます。2012年にオランダで初開催されて以降、欧米を中心に開催され、アジアでは今回が初めての開催となります。自転車安全分野の研究者や専門家200名程度が集まる会合であり、その絶好のタイミングで今治城での歌舞伎公演が実施されますことから、国際会議に参加される皆さん方にも、ぜひ、夜間のエクスカーションとして歌舞伎をお楽しみいただけたらと思っています。
島と海と陸をつなぐ魅力あるまちづくり
次に、島と海と陸をつなぐ魅力あるまちづくりの項目でございますが、車の発進時において、「時速20キロに達するまで5秒かける」といったアクセル操作法を習慣化する“アクセルトレーニング”を、市の公用車に導入することにより、ガソリン消費量の削減による脱炭素化の推進と、職員の運転習慣の改善を図ります。こちらは職員有志による自主研究グループの取組を全庁的に展開するものでございます。
文化・スポーツのまちづくりにおきましては、ふるさと納税制度を活用した「FC今治サッカー専用スタジアム建設プロジェクト」に基づく建設費の一部助成を行うもので、寄附金のうち、9割がスタジアム建設への補助、1割が市のスポーツ振興に資する事業に活用されます。財源は、全額、ふるさと納税を原資に積み立てたスポーツ振興基金からの繰入金でございます。
ひとりひとりが輝く今治の創出
続いて、ひとりひとりが輝く今治の創出におきましては、子育て支援・今治版ネウボラの推進に向け、先月28日に策定、公表いたしました「(仮称)今治版ネウボラ拠点施設整備基本計画」に基づき、今後の施設整備に向けた事業者選定の準備を進めるための発注支援業務を実施しようとするもので、事業期間は令和6年度から8年度までの3か年業務となることから、債務負担行為予算3,800万円をあわせて計上し、加えて、計画に基づく施設整備予定地の地盤調査等を実施いたします。
基本計画策定に至るまでの経緯といたしまして、3月に本市の附属機関であります「子ども・子育て会議」から答申をいただき、その内容についてパブリックコメントを実施し、並行して4月には、昨年定めた「市民参画の指針」に基づく「市民提言会議」を開催いたしました。さらには庁内の検討組織である「公共施設マネジメント委員会」による事業手法の方針決定を踏まえ、策定・公表に至った次第でございます。
市民の皆さんからいただきました貴重なご意見、ご提言につきましては、今後、要求水準書等の策定の過程において、可能な限り反映させていきたいと考えております。
今後のスケジュールの案でございますが、国の補助金活用等の関係から、令和8年度の事業者選定、9年度の着工、そして、12年度からの供用開始を目指しております。
このほか、国の制度改正に伴う「児童手当」並びに「児童扶養手当」の拡充に対応するための予算を計上し、児童手当につきましては、支給期間を現行の「中学生まで」から「高校生まで」に拡大するほか、所得制限の撤廃、第3子以降の多子加算が拡充されるなど、本年10月分からの適用となる見込みです。
一方、児童扶養手当につきましては、所得限度額の見直しのほか、第3子以降の多子加算が拡充され、本年11月分からの適用となる見込みです。
学びの充実に向けては、不登校児童生徒の支援事業として運営する適応指導教室「コスモスの家」について、施設の老朽化等に伴い、旧城東小学校へ移転するための予算を計上し、建物の老朽化とあわせて課題となっている「教室や事務室、駐車場のスペースが不足している」状況を解消し、更なる支援の充実を図ってまいります。
さらには、小中学校の教育環境の整備に向け、小学校8校(別宮・近見・立花・富田・朝倉・鴨部・九和・大三島)、中学校3校(桜井・玉川・伯方)のバリアフリー改修工事を実施するのに加え、全ての小中学校に対して、特別教室への空調設備の導入支援業務を実施いたします。
空調設備については、近年の記録的な暑さ、特に昨年の猛暑を受け、児童生徒の健康保持と学習への適正な環境整備のため、順次整備を進めてきており、既に、普通教室への設置は完了しております。また、特別教室についても、使用時に窓を閉める必要のある「理科室」と「音楽室」への設置を進めておりまして、こちらについては今月中に全て完了する見込みでございます。
今回の予算は、それ以外の家庭科室、図書室などの特別教室について整備に着手するためのものでございます。整備手法といたしましては、早期に整備でき、かつ最も財政負担が抑えられる「設計施工一括発注方式」を採用することとし、令和7年度に事業者選定を行い、早ければ9年度の夏までに稼働させたいと考えています。
また、健康と医療の充実に向けては、今年度より定期接種に位置付けられた「新型コロナワクチン」の接種に必要な予算を計上し、接種対象は、65歳以上の方、もしくは60歳から64歳までの一定の基礎疾患がおありの方の、合わせて約25,000人を見込み、接種の時期は秋から冬にかけて、お1人1回の接種となります。国の助成金を特定財源としています。
このほか、県の補助制度を活用し、介護施設2件分にかかる職員の宿舎施設の整備に対する助成費用を計上しております。財源は全額、県補助金でございます。
この結果、今回の補正予算額は、一般会計10億8,420万6千円でございまして、本年度予算の累計額は、全会計あわせて1,402億130万6千円となってございます。この補正予算の財源につきましては、国・県支出金や市債などの事業執行に伴う特定財源を充当することといたしております。
以上が補正予算の概要でございますが、これらのほか、こすもすの家の移転に伴う施設の名称、位置等を変更する条例案のほか、消防のはしご車の更新にかかる契約議案などを提出してございます。
ご提案いたしました事業の執行により、人口減少、防災・減災などの直面する課題への対応と、地域資源を生かした観光振興や教育環境の充実など、更なる今治の魅力創出に向け、全力を傾注してまいります。
以上で、本日ご提案申し上げました議案の説明を終わらせていただきます。ご審議のほど、よろしくお願い申し上げます。
市長閉会あいさつ
6月定例市議会の閉会にあたりまして、ご挨拶を申し上げます。
議員各位におかれましては、今議会に提案いたしました諸案件につきまして、全て滞りなく議決を賜りありがとうございました。
審議の過程でいただきましたご意見、ご提言につきましては、今後の市政運営にあたり十分留意してまいりたいと存じます。
入梅となった6月も終わりに近づき、蒸し暑い日が続いております。これから夏本番に向け暑さも厳しさを増してまいりますが、市民の皆様におかれましては、水分、塩分の補給に加え、エアコンの適切な利用など、熱中症予防行動に御留意くださいますようお願い申し上げます。
また、今定例会で丹下議員よりご提言をいただきました「クーリングシェルター」につきましては、非常に有効な熱中症対策として早速対応をさせていただきます。まず手始めに、本庁・支所12か所のロビーなどをクーリングシェルター、本市ではより親しみを込めて「バリCOOL」と命名させていただきまして、熱中症特別警戒アラート発表中の避難場所として、本日、指定をさせていただきました。その他の公共施設へも順次指定を進め、店舗など、民間の施設にも参加を呼びかけることで、市内全域に「バリCOOL」の輪を広げてまいりたいと考えております。
熱中症はあらゆる世代の方々の健康に影響を与える深刻な問題でございますが、適切な予防や対処により、重症化を防ぐことが可能でございます。危険な暑さから身を守るため、熱中症予防行動に加え、本市の「バリCOOL」をぜひご活用いただきたいと願っております。
さて、今月5日の厚生労働省の発表によりますと、2023年の出生者数は72.7万人と前の年から4.3万人減少し、過去最低水準を更新いたしました。合計特殊出生率は1.20と、2022年の1.26からさらに低下し、1947年に統計を取り始めて以降最低水準となり、前年を下回るのはこれで8年連続となります。
奇しくも、この衝撃的な数字が発表された同じ日に、少子化対策関連法案が可決され、今定例会におきましても、人口減少対策に関するご質問に対し、私ならではの想いを述べさせていただいたところでございます。
その取組の一つとなります「今治版ネウボラ」に関しまして、先週の17日、イオンモール今治新都市に「今治版ネウボラ」の相談サテライトとなる「子育てひろばハピ」を新たに開設させていただきました。
イオンモール株式会社と本年3月に締結した「子育て支援に関する連携協定」に基づく取組の一環として実施するものでございまして、これまでも本市の子育て支援に携わっていただいております認定こども園や幼稚園などで運営する「子どもたちの遊び場」や、育児への不安や悩みの相談、親子のふれあいの場となる「子育て支援の拠点」としての機能に加え、保健師や助産師、保育士といった専門職への相談もできる、多機関・多職種が事業参加する「機能的な相談サテライト」として、事業展開を図ってまいります。居心地のいい、子育てがちょっと楽しくなる場所として、お気軽にご利用いただければと思っております。
なお、22日(土曜日)には、東京で行われました「全国認定こども園協会トップセミナー」に私自身がゲストスピーカーにお招きをいただき、本市のこどもが真ん中の社会づくりに向けた取組についてお話をさせていただきました。
一方、先々週の土曜日、15日のことでございます。二人組のボーカルユニット「C&K」の今治公演が公会堂で催されました。
C&Kのお二人は、2011年から、全国各地に足を運び、そこに集まるオーディエンスと同じ時間、同じ感動を共有することで、日本全国を繋いでいくという「日本全国地元化計画」を掲げて以降、全国ツアーを継続されておられます。2022年には、ライブでタオルを回すパフォーマンスをする際に、最高品質のものを使いたいとのことから「今治タオル」をお選びいただき、更には今治タオルを題材とする楽曲「I.M.A(イマ)」をリリースされ、そのミュージックビデオはオール今治でロケを行うなど、こうしたことを背景に、私自身が彼らの取組や活動趣旨に共感したことに加え、地元の高校生からも熱いメッセージをいただきましたことから、感謝の気持ちと今治での凱旋公演の想いをお伝えするため、面会に伺ったのがちょうど2年前のことでございました。
全国13公演のうち、四国では唯一の公演となったこともあり、当日は大いに盛り上がり、全国からの来場者を含め、正に会場が一体となり、オーディエンスの皆さん、C&Kのファンの方を「四池家」と呼ぶようでありますけども、四池家の皆さんと今治の皆さんが融合し、今治と全国とが繋がっていく、そんなことを実感する感動の時間でございました。
これとあわせましてJR今治駅改札での歓迎幕の掲示に加え、会場周辺では「IMABALINAフェア」と題し、四池家の皆さんへのおもてなしとして、バリィさんのお出迎えとともに、今治タオルをはじめ特産品の販売やしまなみサイクリングの体験ブースのほか、フードトラックによるご当地グルメなど、今治の魅力に触れていただけるような催しを実施いたしました。
引き続き今後も様々な媒体を活用しながら、このまちの魅力を戦略的、多面的、そして俯瞰的に発信し、今治ファンのネットワークを全国に広げ、交流人口・関係人口の創出を図るなど、将来の「人口定常化」に向け、こうした自然減・社会減の双方に対応するための総合的な施策を積極的に展開してまいります。
またこれとあわせまして、合併20周年記念事業の柱に位置付けをさせていただいております「今治みらい発掘プロジェクト12」におきましては、フィールドワークにより掘り起こされました「地域資源の魅力」を如何に可視化し、「地域の豊かさ」をどのように発信していくか、地域間交流も行いながら議論を深めていく段階になります。こうした市民参画の気運を絶やすことなく、持続的な地域活性化の促進に繋がっていきますよう、市民の皆さんと一体となって知恵を絞ってまいりたいと考えております。
課題となる少子化対策をはじめ、今定例会で議決を賜りました、地域資源を生かした観光振興、教育環境の充実に向けた施策などにつきましても、国・県の支援をいただきながら、着実に進めるとともに、事業効果の最大化・早期発現に向け全力で取り組んでまいりますので、今後とも、一層のご理解、ご協力を賜りますようお願い申し上げまして、閉会にあたりましてのご挨拶とさせていただきます。ありがとうございました。
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