令和8年 6月定例会
市長招集あいさつ
本日、第3回定例会を招集いたしましたところ、議員各位のご参集を賜り、厚くお礼申し上げます。
まず初めに、このたび全国市議会議長会より、寺井政博議員が30年在職議員として、達川雄一郎議員が15年在職議員として表彰の栄に浴されましたことに対し、お慶びを申し上げます。長きにわたり、市政の発展と市民福祉の向上にご尽力を賜りましたことへの深い敬意の念と、今後ますますのご健勝とご活躍をお祈り申し上げますとともに、引き続きのご支援を賜りますようお願い申し上げます。
次に、昨夜から本日未明にかけまして愛媛県に最接近いたしました台風第6号の被害状況についても、合わせてご報告をさせていただきます。
本市におきましては、菊間及び玉川地区の一部で停電が発生したほか、のまうまハイランドから菊間へ向かう広域農道において倒木等が確認されております。また、JR予讃線では列車が倒木に接触した影響により、今治駅~伊予北条駅間で運転を見合わせ、特急・普通列車に運休や部分運休が生じるなど、市民生活に影響が出ておりますが、その他に大きな被害報告は受けてございません。
引き続き、情報の収集に努めますとともに、関係機関と連携しながら、市民の皆様の安全確保に万全を期してまいります。
さて、大変嬉しいお話がございます。先月23日に開催の「明治杯全日本選抜レスリング選手権大会」におきまして、本市出身のオリンピアン・曽我部京太郎選手が見事に優勝を果たされ、さらに弟の凛大郎選手も優勝の栄冠に輝くという、兄弟ダブル優勝の快挙を成し遂げられました。
厳しい練習を重ね、お互いに切磋琢磨してこられたお二人のご努力が、このような素晴らしい成果として実を結んだことに、深い敬意を表します。その歩みにおきましては、思うように結果が出ない時期や大きな壁に直面する場面もあったかと存じますが、夢を持ち続け、それを乗り越え挑戦を続ける姿は、多くの市民に勇気と希望を届けるものであります。
とりわけ、兄弟でともに頂に立たれたという事実は、「努力」と「支え合い」の象徴として、未来を担う子どもたちにとっても、大きな励みとなりましょう。
京太郎選手は、今回の優勝により世界選手権への切符を手にされました。このこと自体も大変な功績でございますが、その胸中には、さらにその先の「パリでの借りをロサンゼルスで返す」という強い思いがあるものと想像し、胸を熱くしたところでございます。これまで積み重ねてきた経験を糧に、さらなる飛躍を遂げられますことを、市民の皆様とともにご期待申し上げます。
次に、岩手県大槌町で発生しました林野火災への対応として、本市が実施をいたしました、ふるさと納税制度による災害支援代理寄附の受付について報告をさせていただきます。
4月22日の発災以降、延焼が続き、3日目の24日には被害が大きく拡大し、平成以降、国内で2番目の規模となる甚大な被害となりました。多くの山林が焼失し、住民の皆様が厳しい状況に置かれたことに、同じ痛みを経験したまちとして、胸が締め付けられる思いであり、被災をされた皆様に衷心よりお見舞いを申し上げます。
昨年、本市が林野火災に見舞われた際に、全国の皆様や多くの自治体から賜ったご支援、困難な最中に届いた支え合いとつながりの温もりは、決して忘れることはなく、「今治市として何ができるのか」を問いかける中で、市民や全国の皆様の思いを一刻も早く、大槌町の皆様へお届けする手段といたしまして、4月24日より代理寄附を開始させていただきました。
現在、500万円を超えるご寄附をお預かりしておりまして、受付終了後、速やかに大槌町の皆様にお届けをさせていただきます。さらに、この取組が全国の仲間たちにも広がり、複数の自治体が同様の支援に参加してくださっています。私たちの想いはただ一つ、大槌町の皆様が1日も早く、一刻も早く平穏な日常を取り戻されること。そのための一助となることを願っております。
一方、全国各地で林野火災の発生が相次いでおります。これから梅雨時期を迎え、火災の可能性は低下していくものと考えますが、今後も「林野火災注意報・警報」の発令や各地域の火災警戒リーダーによる見守りなどを通じて注意喚起を行い、市民の皆様には火の取り扱いに十分ご留意いただきますよう、引き続き火災予防の呼びかけに努めてまいります。
次に、全国植樹祭とそのレガシーについてでございます。
先月、松山市をメイン会場として「第76回全国植樹祭えひめ2026」が開催され、天皇皇后両陛下ご臨席のもと、森林の尊さと緑を未来へつなぐ決意が広く発信されました。
本市のサテライト会場におきましても、3,500名もの方々にご参加いただき、体験や学びを通じて「緑を育てること」の大切さを実感する機会となりました。ここで芽生えた意識や行動は、次の世代へ引き継ぐべき重要なレガシーであると受け止めております。
また、本年4月には、昨年の林野火災からの復旧・復興に向けた具体的な取組としまして、「鎮守の森植樹祭」を開催いたしました。単なる緑化にとどまらず、災害に強く、将来にわたり「命を守る森」としての再生を目指すなか、愛媛県知事をはじめ、約230人の皆様にご参加いただき、地域本来の樹種を中心とした約500本の苗木を植樹し、被災地に新たな命を吹き込む第一歩を共に踏み出したところでございます。参加されました皆様からも、1日も早い森の回復を願う声が数多く寄せられ、地域一体となった力強い取組となりました。
さらに、先月11日には、桜井小学校において、子どもたちと共にユーカリの苗木を植樹させていただきました。市の天然記念物であり、124年にわたり子どもたちや地域を見守ってきたユーカリが、天寿を全うし伐採されましたことは、卒業生の一人として寂しさを感じておりましたが、その切り株のそばに新たな苗木を植える光景は、「校庭に残る記憶」と「芽吹く未来」がつながる、世代を超えた継承の象徴でありました。
桜井小学校は、全国植樹祭の発祥に深くかかわったとされる今治の先人・村上龍太郎氏の母校でもあります。戦後の荒廃した国土を憂い、山や森をよみがえらせる緑化運動を全国へ広げることに大きく貢献された村上氏の思いを継ぐ子どもたちが植樹を担ったことは、未来へ命をつなぐという全国植樹祭の理念の具現化でもあったと、感慨を深くいたしております。さらには、この取組はクラウドファンディングを通じ、卒業生をはじめ全国の皆様からの温かいご支援により実現したことも、大変意義深いことでございます。
昨年の林野火災は、本市にとって大きな試練であったと同時に、多くの学びと気づきもございました。この教訓を風化させることなく、全国植樹祭のレガシーや本市が掲げる「市民と共に未来へつなぐ森づくり」の理念のもと、行政ばかりでなく、地域の皆様や多くの関係者と力を合わせ、次の世代へ誇れる森づくりを着実に進めてまいります。
次に、去る5月28日、愛媛県、松山市、本市、そして一般財団法人トヨタ・モビリティ基金の4者により、「自転車新文化の更なる拡大・深化に向けた連携協定」を締結させていただきました。
本協定は、来年5月に愛媛県で開催されます「Velo-city 2027 Ehime」を契機として、自転車利用の普及・拡大、地域活性化、まちづくり、安全利用等の取組を、4者が緊密に連携をしながら推進するものでございます。
本市におきましては協定に基づき、しまなみ海道を訪れる外国人サイクリストの安全確保として、「二段階右折」や「左側通行」など日本独自のルールに不慣れな方々に対する視覚的・直感的な案内による安全な通行を促す取組に加え、本年4月からの「青切符」制度の適用開始を踏まえ、中学生を対象に、生徒自身が地域の交通環境を観察し、危険を予測する力を育む、実践型の自転車安全教育に取り組み、安全文化の次世代への継承を図ってまいります。
「地域住民と来訪者が、共に安全で快適な自転車利用環境をつくる」
この考え方こそ、しまなみ海道を有する本市が世界に向けて発信できる、愛媛らしい自転車文化の姿であると考えております。
そして、今議会の会期中ではございますが、今月16日から19日の間で、イタリア・リミニで開催されます世界最大級の自転車国際会議「Velo-city 2026 リミニ」に、愛媛県・松山市とともに参加させていただきます。「Velo-city」は、都市計画や交通政策、自転車の安全利用などをテーマに、世界各国の都市が知見を共有する国際会議であり、2027年には日本で初めて、愛媛県での開催が予定されております。
しまなみ海道を軸としたサイクルツーリズムを推進する本市におきましても、今回の参加を通じて、先進事例の情報収集を行うとともに、主催者であるECF(欧州サイクリスト連盟)をはじめ、欧州各国の関係団体との国際的なネットワークの構築に努めてまいります。
「自転車による持続可能な社会づくり」の理念のもと、4者協定による取組と、リミニで得られる国際的な知見を両輪として、2027年愛媛大会の成功を期すとともに、愛媛のサイクリング文化を世界に誇るブランドへと高める絶好の機会としてまいりたいと考えております。
最後に、もう1点ご報告がございます。
去る5月29日、国道317号(松山・今治間)の整備促進を目的とする期成同盟会が発足し、初会合が開催されました。沿線自治体の首長や議会関係者、経済界の代表が一堂に会し、本路線の重要性を改めて共有するとともに、線形改良やバイパス整備の早期実現に向けた力強いスタートを切ったところでございます。
国道317号は、松山市と本市を結ぶ広域幹線道路として、通学、通勤、そして、物流を支える基幹的役割を担うとともに、しまなみ海道へ接続する重要な観光動線でもあります。しかしながら、山間部には急カーブや幅員の狭い区間が残されており、安全性や走行性の向上が求められているほか、近年頻発する豪雨災害を踏まえ、代替路・緊急輸送道路としての機能強化も喫緊の課題です。
こうした中、本同盟会の活動は、単なる道路整備にとどまらず、松山・今治両圏域の連携を一層強化し、地域経済の活性化や観光振興、交流人口の拡大につなげる「未来への投資」として極めて重要な取組であると認識しております。
とりわけ、今治・しまなみ海道と松山・道後温泉、いわゆる“しまなみ”から“坂の上の雲”をつなぐ広域周遊観光ルートの形成は、多くの来訪者に地域の魅力を体感していただく絶好の機会になるものと期待しています。その実現に向けましては、単なる通過点に終わることなく、それぞれの地域資源を生かした魅力あふれるコンテンツの創出を進め、滞在や周遊を促す仕掛けづくりに引き続き取り組んでいくことが重要であります。
今後は、本同盟会を中心に関係自治体・関係団体が一丸となり、国や県への要望活動を着実に積み重ね、未整備区間の早期解消と本路線の機能向上に全力で取り組んでまいります。
さて、本定例会におきましては、エネルギー価格や原材料費の高騰が長期化する中、市民や市内事業者の営みに大きな影響を及ぼしている現状を踏まえ、「物価高騰対応 重点支援 地方創生臨時交付金」を活用し、市民・市内事業者向けの緊急支援総合パッケージを展開し、直面する課題への対応を図ることとしております。
昨年12月に「いまばり暮らし応援券事業」として7億7千万円の補正予算を計上し、全ての市民の皆様へお米券を配布させていただいたのを皮切りに、令和8年3月補正、さらには令和8年度当初予算と、市民や事業者の皆様に対し、切れ目のない対策を講じてまいりましたが、国の臨時交付金を活用した当面の支援策の締めくくりといたしまして、今回上程させていただくものでございます。
あわせて、市民生活の利便性向上、出産・子育て・福祉施策の充実、地域防災力の強化、さらには災害時の広域的な相互支援体制の構築等に必要な経費について、所要の予算案を上程いたしております。
不透明な世界情勢の影響により、諸物価の高騰や物資・資材調達の困難さといった厳しい状況が続いておりますが、「市民が真ん中」の視点に立って、市民の皆様の暮らしを守り、事業者の前向きな挑戦を支え、「脱・衰退」に向けた歩みを緩めることなく、引き続き、全庁一丸となって取り組んでまいります。
議員各位におかれましては、今後とも一層のご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げ、開会にあたりましてのご挨拶とさせていただきます。
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