令和8年 6月定例会

市長招集あいさつ

 本日、第3回定例会を招集いたしましたところ、議員各位のご参集を賜り、厚くお礼申し上げます。

 まず初めに、このたび全国市議会議長会より、寺井政博議員が30年在職議員として、達川雄一郎議員が15年在職議員として表彰の栄に浴されましたことに対し、お慶びを申し上げます。長きにわたり、市政の発展と市民福祉の向上にご尽力を賜りましたことへの深い敬意の念と、今後ますますのご健勝とご活躍をお祈り申し上げますとともに、引き続きのご支援を賜りますようお願い申し上げます。

 次に、昨夜から本日未明にかけまして愛媛県に最接近いたしました台風第6号の被害状況についても、合わせてご報告をさせていただきます。
 本市におきましては、菊間及び玉川地区の一部で停電が発生したほか、のまうまハイランドから菊間へ向かう広域農道において倒木等が確認されております。また、JR予讃線では列車が倒木に接触した影響により、今治駅~伊予北条駅間で運転を見合わせ、特急・普通列車に運休や部分運休が生じるなど、市民生活に影響が出ておりますが、その他に大きな被害報告は受けてございません。
 引き続き、情報の収集に努めますとともに、関係機関と連携しながら、市民の皆様の安全確保に万全を期してまいります。

 さて、大変嬉しいお話がございます。先月23日に開催の「明治杯全日本選抜レスリング選手権大会」におきまして、本市出身のオリンピアン・曽我部京太郎選手が見事に優勝を果たされ、さらに弟の凛大郎選手も優勝の栄冠に輝くという、兄弟ダブル優勝の快挙を成し遂げられました。
 厳しい練習を重ね、お互いに切磋琢磨してこられたお二人のご努力が、このような素晴らしい成果として実を結んだことに、深い敬意を表します。その歩みにおきましては、思うように結果が出ない時期や大きな壁に直面する場面もあったかと存じますが、夢を持ち続け、それを乗り越え挑戦を続ける姿は、多くの市民に勇気と希望を届けるものであります。
 とりわけ、兄弟でともに頂に立たれたという事実は、「努力」と「支え合い」の象徴として、未来を担う子どもたちにとっても、大きな励みとなりましょう。
 京太郎選手は、今回の優勝により世界選手権への切符を手にされました。このこと自体も大変な功績でございますが、その胸中には、さらにその先の「パリでの借りをロサンゼルスで返す」という強い思いがあるものと想像し、胸を熱くしたところでございます。これまで積み重ねてきた経験を糧に、さらなる飛躍を遂げられますことを、市民の皆様とともにご期待申し上げます。

 次に、岩手県大槌町で発生しました林野火災への対応として、本市が実施をいたしました、ふるさと納税制度による災害支援代理寄附の受付について報告をさせていただきます。
 4月22日の発災以降、延焼が続き、3日目の24日には被害が大きく拡大し、平成以降、国内で2番目の規模となる甚大な被害となりました。多くの山林が焼失し、住民の皆様が厳しい状況に置かれたことに、同じ痛みを経験したまちとして、胸が締め付けられる思いであり、被災をされた皆様に衷心よりお見舞いを申し上げます。
 昨年、本市が林野火災に見舞われた際に、全国の皆様や多くの自治体から賜ったご支援、困難な最中に届いた支え合いとつながりの温もりは、決して忘れることはなく、「今治市として何ができるのか」を問いかける中で、市民や全国の皆様の思いを一刻も早く、大槌町の皆様へお届けする手段といたしまして、4月24日より代理寄附を開始させていただきました。
 現在、500万円を超えるご寄附をお預かりしておりまして、受付終了後、速やかに大槌町の皆様にお届けをさせていただきます。さらに、この取組が全国の仲間たちにも広がり、複数の自治体が同様の支援に参加してくださっています。私たちの想いはただ一つ、大槌町の皆様が1日も早く、一刻も早く平穏な日常を取り戻されること。そのための一助となることを願っております。
 一方、全国各地で林野火災の発生が相次いでおります。これから梅雨時期を迎え、火災の可能性は低下していくものと考えますが、今後も「林野火災注意報・警報」の発令や各地域の火災警戒リーダーによる見守りなどを通じて注意喚起を行い、市民の皆様には火の取り扱いに十分ご留意いただきますよう、引き続き火災予防の呼びかけに努めてまいります。

 次に、全国植樹祭とそのレガシーについてでございます。
 先月、松山市をメイン会場として「第76回全国植樹祭えひめ2026」が開催され、天皇皇后両陛下ご臨席のもと、森林の尊さと緑を未来へつなぐ決意が広く発信されました。
 本市のサテライト会場におきましても、3,500名もの方々にご参加いただき、体験や学びを通じて「緑を育てること」の大切さを実感する機会となりました。ここで芽生えた意識や行動は、次の世代へ引き継ぐべき重要なレガシーであると受け止めております。
 また、本年4月には、昨年の林野火災からの復旧・復興に向けた具体的な取組としまして、「鎮守の森植樹祭」を開催いたしました。単なる緑化にとどまらず、災害に強く、将来にわたり「命を守る森」としての再生を目指すなか、愛媛県知事をはじめ、約230人の皆様にご参加いただき、地域本来の樹種を中心とした約500本の苗木を植樹し、被災地に新たな命を吹き込む第一歩を共に踏み出したところでございます。参加されました皆様からも、1日も早い森の回復を願う声が数多く寄せられ、地域一体となった力強い取組となりました。
 さらに、先月11日には、桜井小学校において、子どもたちと共にユーカリの苗木を植樹させていただきました。市の天然記念物であり、124年にわたり子どもたちや地域を見守ってきたユーカリが、天寿を全うし伐採されましたことは、卒業生の一人として寂しさを感じておりましたが、その切り株のそばに新たな苗木を植える光景は、「校庭に残る記憶」と「芽吹く未来」がつながる、世代を超えた継承の象徴でありました。
 桜井小学校は、全国植樹祭の発祥に深くかかわったとされる今治の先人・村上龍太郎氏の母校でもあります。戦後の荒廃した国土を憂い、山や森をよみがえらせる緑化運動を全国へ広げることに大きく貢献された村上氏の思いを継ぐ子どもたちが植樹を担ったことは、未来へ命をつなぐという全国植樹祭の理念の具現化でもあったと、感慨を深くいたしております。さらには、この取組はクラウドファンディングを通じ、卒業生をはじめ全国の皆様からの温かいご支援により実現したことも、大変意義深いことでございます。
 昨年の林野火災は、本市にとって大きな試練であったと同時に、多くの学びと気づきもございました。この教訓を風化させることなく、全国植樹祭のレガシーや本市が掲げる「市民と共に未来へつなぐ森づくり」の理念のもと、行政ばかりでなく、地域の皆様や多くの関係者と力を合わせ、次の世代へ誇れる森づくりを着実に進めてまいります。

 次に、去る5月28日、愛媛県、松山市、本市、そして一般財団法人トヨタ・モビリティ基金の4者により、「自転車新文化の更なる拡大・深化に向けた連携協定」を締結させていただきました。
 本協定は、来年5月に愛媛県で開催されます「Velo-city 2027 Ehime」を契機として、自転車利用の普及・拡大、地域活性化、まちづくり、安全利用等の取組を、4者が緊密に連携をしながら推進するものでございます。
 本市におきましては協定に基づき、しまなみ海道を訪れる外国人サイクリストの安全確保として、「二段階右折」や「左側通行」など日本独自のルールに不慣れな方々に対する視覚的・直感的な案内による安全な通行を促す取組に加え、本年4月からの「青切符」制度の適用開始を踏まえ、中学生を対象に、生徒自身が地域の交通環境を観察し、危険を予測する力を育む、実践型の自転車安全教育に取り組み、安全文化の次世代への継承を図ってまいります。
 「地域住民と来訪者が、共に安全で快適な自転車利用環境をつくる」
 この考え方こそ、しまなみ海道を有する本市が世界に向けて発信できる、愛媛らしい自転車文化の姿であると考えております。

 そして、今議会の会期中ではございますが、今月16日から19日の間で、イタリア・リミニで開催されます世界最大級の自転車国際会議「Velo-city 2026 リミニ」に、愛媛県・松山市とともに参加させていただきます。「Velo-city」は、都市計画や交通政策、自転車の安全利用などをテーマに、世界各国の都市が知見を共有する国際会議であり、2027年には日本で初めて、愛媛県での開催が予定されております。
 しまなみ海道を軸としたサイクルツーリズムを推進する本市におきましても、今回の参加を通じて、先進事例の情報収集を行うとともに、主催者であるECF(欧州サイクリスト連盟)をはじめ、欧州各国の関係団体との国際的なネットワークの構築に努めてまいります。
 「自転車による持続可能な社会づくり」の理念のもと、4者協定による取組と、リミニで得られる国際的な知見を両輪として、2027年愛媛大会の成功を期すとともに、愛媛のサイクリング文化を世界に誇るブランドへと高める絶好の機会としてまいりたいと考えております。

 最後に、もう1点ご報告がございます。
 去る5月29日、国道317号(松山・今治間)の整備促進を目的とする期成同盟会が発足し、初会合が開催されました。沿線自治体の首長や議会関係者、経済界の代表が一堂に会し、本路線の重要性を改めて共有するとともに、線形改良やバイパス整備の早期実現に向けた力強いスタートを切ったところでございます。
 国道317号は、松山市と本市を結ぶ広域幹線道路として、通学、通勤、そして、物流を支える基幹的役割を担うとともに、しまなみ海道へ接続する重要な観光動線でもあります。しかしながら、山間部には急カーブや幅員の狭い区間が残されており、安全性や走行性の向上が求められているほか、近年頻発する豪雨災害を踏まえ、代替路・緊急輸送道路としての機能強化も喫緊の課題です。
 こうした中、本同盟会の活動は、単なる道路整備にとどまらず、松山・今治両圏域の連携を一層強化し、地域経済の活性化や観光振興、交流人口の拡大につなげる「未来への投資」として極めて重要な取組であると認識しております。
 とりわけ、今治・しまなみ海道と松山・道後温泉、いわゆる“しまなみ”から“坂の上の雲”をつなぐ広域周遊観光ルートの形成は、多くの来訪者に地域の魅力を体感していただく絶好の機会になるものと期待しています。その実現に向けましては、単なる通過点に終わることなく、それぞれの地域資源を生かした魅力あふれるコンテンツの創出を進め、滞在や周遊を促す仕掛けづくりに引き続き取り組んでいくことが重要であります。
 今後は、本同盟会を中心に関係自治体・関係団体が一丸となり、国や県への要望活動を着実に積み重ね、未整備区間の早期解消と本路線の機能向上に全力で取り組んでまいります。

 さて、本定例会におきましては、エネルギー価格や原材料費の高騰が長期化する中、市民や市内事業者の営みに大きな影響を及ぼしている現状を踏まえ、「物価高騰対応 重点支援 地方創生臨時交付金」を活用し、市民・市内事業者向けの緊急支援総合パッケージを展開し、直面する課題への対応を図ることとしております。
 昨年12月に「いまばり暮らし応援券事業」として7億7千万円の補正予算を計上し、全ての市民の皆様へお米券を配布させていただいたのを皮切りに、令和8年3月補正、さらには令和8年度当初予算と、市民や事業者の皆様に対し、切れ目のない対策を講じてまいりましたが、国の臨時交付金を活用した当面の支援策の締めくくりといたしまして、今回上程させていただくものでございます。
 あわせて、市民生活の利便性向上、出産・子育て・福祉施策の充実、地域防災力の強化、さらには災害時の広域的な相互支援体制の構築等に必要な経費について、所要の予算案を上程いたしております。

 不透明な世界情勢の影響により、諸物価の高騰や物資・資材調達の困難さといった厳しい状況が続いておりますが、「市民が真ん中」の視点に立って、市民の皆様の暮らしを守り、事業者の前向きな挑戦を支え、「脱・衰退」に向けた歩みを緩めることなく、引き続き、全庁一丸となって取り組んでまいります。
 議員各位におかれましては、今後とも一層のご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げ、開会にあたりましてのご挨拶とさせていただきます。

市長 提案理由説明

 この度の定例市議会におきましては、令和8年度補正予算案をはじめ、当面する市政の諸案件につきましてご審議いただくこととなってございますので、よろしくお願い申し上げます。

 先ほど、招集あいさつでも申し上げましたとおり、エネルギー価格や原材料費の高騰が長期化し、市民の暮らしや事業活動に大きな影響を及ぼしている現状を踏まえ、国の「物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金」を活用し、「緊急支援総合パッケージ」としまして、「地場産業・基幹産業」「第一次産業」「観光」「こども・医療・福祉」「地域公共交通」「防災・防犯」といった分野を対象に、負担の増となっている経費の一部を支援することにより、事業継続や必要なサービス水準の維持を図るとともに、市民の消費喚起につながる施策を機動的かつ総合的に実施するための予算とあわせて、市民生活の利便性向上、出産・子育て・福祉施策の充実、地域防災力の強化、さらには災害時の広域的な相互支援体制の構築等に必要な予算を提案させていただいております。

 それでは、本日ご提案申し上げました案件の主なものにつきまして、私が公約に掲げる政策の柱に沿って、ご説明申し上げます。

直面する課題への対応

 はじめに、直面する課題への対応、物価高騰への対応でございます。
 まず、本市の地場産業、基幹産業等への支援としましては、今治タオルメーカーをはじめ、染色・捺染事業者、また、伝統産業である大島石の採掘や菊間瓦の製造事業者の皆様に対し、物価高騰の影響額の一部を助成させていただきます。
 また、従業員の労働環境や居住環境の向上に資する施設整備を行う市内事業者を支援することにより、人材確保と雇用の安定化を図ってまいります。
 さらには、中小零細企業に対する、DX・AIを活用した設備投資や省エネ投資への支援として、今年度当初予算で計上した事業に対し、申請の受付開始前から多数の問い合わせを頂いておりますことから、より多くの事業者の皆様にご利用いただけるよう予算を拡充いたします。

 次に、第一次産業への支援といたしまして、生産コストの増大により経営に影響を受けている認定農業者・認定新規就農者に対し、その負担軽減を図ることで、経営継続と地域農業の維持・発展につなげるもの、また、同様に影響を受けている漁業者に対し、燃油や配合飼料価格高騰の影響を受けにくい経営体質への転換を図るため、経営安定のための共済制度積立金の一部を支援させていただきます。

 続いて、観光事業者への支援といたしまして、宿泊事業者及び観光船事業者に対し、原材料費や燃料費などの高騰分の一部を助成することにより、事業継続を支援させていただきます。

 続いて、こども・福祉・医療関係者への支援でございます。
 市内で下宿等をされている学生の皆さんへの生活支援として、学生寮・下宿等の運営者に対し、設備改修費用等を助成することにより、居住環境の向上と家賃上昇の抑制につなげるほか、学生自らが食事を準備する機会を通じて学生どうしの交流促進を図ろうとする取組に対して、その食材費の支援を行い、食費負担の軽減とあわせて充実した学生生活につなげていただきたいと考えております。
 福祉施設等及び医療施設への支援としましては、食材費高騰の影響を緩和するため、県の助成期間が終了しました後の令和8年1月から国の報酬改定が実施されるまでの間、必要な助成を行います。

 次に、地域公共交通への支援でございます。市内路線バス事業者が行う燃費性能の高い車両やバリアフリー車両の導入を支援するとともに、今治タクシー事業協同組合が導入するタクシー共同配車アプリの利用促進と周知を図るため、アプリを利用して乗車する際の利用料金の割引費用を支援させていただきます。

 次に、防災、防犯に関する取組でございます。物価高騰下における家計支援と災害への備えを兼ねまして、市民の皆さんによる「自助」の取組を促進するため、防災グッズ等の購入費用の一部を助成いたします。また、地域の防犯・安全対策を強化するため、市民や事業者の防犯機材の購入を支援するとともに、公民館やスポーツ施設など市民利用の多い公共施設への防犯カメラ設置を進め、安心して暮らせる地域づくりを推進してまいります。

 続いて、市民の皆様の消費喚起に資する取組でございます。物価高騰の影響を軽減するとともに、高齢者のいきいきとした暮らしを支えるため、市内の65歳以上の高齢者を対象に、「せとうちみなとマルシェ」で活用可能なプレミアム付クーポン券を発行いたします。また、島しょ部においては、来月の伯方島での開催を皮切りに、大島、大三島でも開催予定の「しまなみマーケット」で利用できるプレミアム付クーポン券を発行いたします。

 以上が、国の「物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金」を財源とする事業となります。

「考動する市役所」がある『まち』に

 続いて「考動する市役所」がある『まち』についてでございます。
 スマートシティ今治(デジタル化)の推進としまして、印鑑登録証明書や住民票、マイナンバー関連手続きにおきまして、これまで手書きで記入しておりました申請書につきまして、マイナンバーカードや運転免許証を提示し、画面操作を行うだけで、住所・氏名・生年月日・性別などの基本情報が印字された申請書を自動作成できる機器を導入し、市民課窓口における利用者負担の軽減とデジタル活用による業務の効率化を図ってまいります。

人が元気になる『まち』に ~ひとりひとりが輝く今治の創出~

 続いて人が元気になる『まち』に ~ひとりひとりが輝く今治の創出~でございます。
 子育ての理想郷の実現に向けた取組としまして、安心して子どもを産み育てられる環境を整備するため、里帰り出産等により市外で産後ケアを利用した場合の自己負担額の一部を助成させていただきます。
 また、経済的な理由により進学が困難な状況にある生徒に対し、高校や大学等の受験料の一部を助成し、貧困の連鎖防止と進学へのチャレンジを後押しするなど、教育環境の整備・充実を図ってまいります。
 さらに、健康・医療・福祉都市づくりに向け、第9期介護保険事業計画に基づく介護施設等の整備につきまして、県の内示が得られましたため、その費用の一部を補助するものでございます。
 また、生活保護制度に関する最高裁判決への対応として、国による保護費の追加支給が決定されたことを受け、対象世帯への追加給付を実施いたします。

しなやかで強靭な『まち』

 続いてしなやかで強靭な『まち』を実現するための「地域ディフェンス力」の強化策といたしまして、昨年の林野火災により被災した周辺地域において、保水力低下や土砂災害リスクの増大が懸念されますことから、愛媛県が実施する急傾斜地崩壊対策事業と一体となって法面補強工事を実施し、朝倉・緑ヶ丘団地地区全体の落石防護及び法面保護対策を進めてまいります。
 最後に、B&G財団の助成事業を活用し、災害対応や避難所運営に必要な重機や機材を配備するとともに、それらを操作できる人材の育成を進めることで、今治市の防災力向上と迅速な被災地支援が可能となる体制整備を図ってまいります。

 この結果、今回の補正予算額は、一般会計 9億7,268万6千円でございまして、本年度予算の累計額は、全ての会計あわせて1,451億6,758万6千円となってございます。
 この補正予算につきましては、国・県支出金や市債などの特定財源を充当することといたしております。

 以上が補正予算の概要でございますが、このほか、行政のDXを一層推進するための関係条例の改正、指定管理対象施設を追加するための関係条例の改正等の条例案をはじめ、サンライズ糸山の建物売却、小中学校特別教室への空調設備整備事業及び高規格救急自動車の更新に係る契約議案などを提出してございます。

 提案いたしました事業の執行により、物価高騰対応策を速やかかつ一体的に推進し、不透明な世界情勢や厳しい経済環境の中にあっても、市民の暮らしを守り、事業者の前向きな挑戦を支え、今治の持続的な発展につなげてまいります。「夢が行き交うまち今治」の実現に向け、引き続き全力を傾注してまいります。

 以上で、本日ご提案申し上げました議案の説明を終わらせていただきます。ご審議のほど、よろしくお願い申し上げます。

追加提案理由説明(人事案件)

 ただいま提案いたしました追加議案につきまして、一括してご説明申し上げます。
 まず、議案第63号「固定資産評価員の選任について」でございます。
 「阿部 孝文」固定資産評価員から、令和8年6月30日をもって退任したいとの願い出がありました。
 後任に「越智 秀樹」税務長を議会の同意を得て選任いたしたいと存じますので、よろしくお願い申し上げます。

 続きまして、議案第64号「農業委員会委員の任命について」であります。
 農業委員会委員の任期が、令和8年7月19日で満了いたしますので、「矢野 丈一」氏ほか18名につきまして、議会の同意を得て任命いたしたいと存じますので、よろしくお願い申し上げます。

市長閉会あいさつ

 6月定例市議会の閉会にあたりまして、ご挨拶を申し上げます。
 議員各位におかれましては、今議会に提案いたしました諸案件につきまして、全て滞りなく議決を賜り、誠にありがとうございました。
 審議の過程でいただきましたご意見、ご提言につきましては、今後の市政運営にあたり十分留意してまいりたいと存じます。

 さて、今月初めに梅雨入りをいたしましたが、記録的な高温が続いた昨年と比べますと、幾分か過ごしやすい日が続いている気がいたします。
 しかしながら、これから夏本番を迎え、さらに暑さも厳しさを増してくるものと思いますので、市民の皆様におかれましては、水分や塩分の補給、エアコンの適切な利用など、熱中症予防に十分ご留意いただきますとともに、一昨年から運用を開始しておりますクーリングシェルター「バリCOOL」を今年も市内各所に開設しておりますので、危険な暑さを避ける身近な場所としてご活用いただければと存じます。

 近年は、短時間の猛烈な雨や線状降水帯の発生など、予測し難い気象現象が増えております。発表される防災気象情報や市からの避難情報に十分注意し、警戒レベルの上昇に応じて、ためらうことなく早めの避難行動をとっていただきますようお願い申し上げます。

 こうした中、気象庁では先月29日から、新たな防災気象情報の運用が開始され、大雨や洪水、土砂災害などに関する情報について、警戒すべき内容や取るべき行動を直接示す名称へと整理され、今何をすべきか、より直感的に判断できるようになりました。
 災害時に命を守るためには、周囲の状況を判断し、自ら行動することが何よりも重要です。そのための、いざという時の備えとしまして、この度の補正予算に計上の、避難生活の環境改善につながる防災資機材の整備や非常持出品の購入補助制度をご活用いただき、ご家庭での「自助」の備えを進めていただきますようお願い申し上げます。

 本市といたしましても、気象情報の収集に努め、必要な避難情報を迅速かつ適切に発出し、市民の皆様の命と暮らしを守るため、万全を期してまいります。

 変わって、先週16日からイタリア・リミニ市で開催されました自転車国際会議「Velo-city 2026 Rimini」に参加し、昨日、帰国いたしました。
 60か国以上から延べ1,600人以上が参加、ブース出展数は73という規模でございました。
 現地では、自転車を環境や健康、まちの賑わいにつなげる都市政策や、歴史的な街並みと美しい海岸空間を生かしたまちづくり、さらには、自転車と公共交通が一体となった移動環境の整備など、世界の長期的かつ先進的な取組に触れ、本市が目指す「安全で快適なサイクルシティ」の実現に向け、多くの示唆を得ることができました。
 また、会場では、交通量をAIで可視化するシステムをはじめ、自転車関連技術の進展も数多く紹介されており、今後の施策を検討する上で大変参考になりました。
 大会最終日には、次期開催都市への引継ぎ式が行われ、愛媛県知事によるプレゼンテーションののち、関係者の皆様とともに壇上に立たせていただき、世界各国から集まった参加者の皆様に、次期開催地である愛媛、そして、しまなみ海道の魅力を直接発信することが叶い、大変有意義な機会となりました。会場からは大きな歓声と拍手が送られ、来年の「Velo-city 2027 Ehime」への期待の高さを強く実感したところでございます。

 本市が誇るしまなみ海道は、世界中のサイクリストを魅了する貴重な地域資源でございます。この世界に誇る財産をさらに磨き上げ、安全で快適な走行環境の充実はもとより、地域ならではの景観や食、文化などの魅力を一体的に発信し、多くの方々に「また訪れたい」と感じていただけるまちづくりを進めていくことが、「瀬戸内の世界都市」を目指す本市の重要な役割であると認識しております。
 今議会でも申し上げました、トヨタ・モビリティ基金等との連携は、その実現に向けた大きな一歩でございます。10月に開催される「サイクリングしまなみ2026」では、今治ならではのおもてなしで国内外から訪れる皆様をお迎えし、来年5月の「Velo-city 2027 Ehime」に向けて機運を高めてまいります。

 次に、今治の夏の風物詩である市民のまつり「おんまく」の開催まで、いよいよ1月余りとなりました。
 今年は8月8日、9日の予定でございまして、多くの皆様にご参加いただき、今治の夏を盛り上げていただきたいと願っております。
 今年の花火は、10月に公開予定の映画「汝、星のごとく」とのコラボレーションによる特別な演出が行われると伺っております。
 花火のテーマは「NOSTALGIA(ノスタルジア)~郷愁~」ということでございまして、映画の世界観とも重なり合うこのテーマには、今治で育ち、進学し、就職、結婚などを機に市外へと進まれた方々にも「ふるさと今治」を懐かしく思い起こしていただきたい、そんな願いが込められているものと受け止めております。
 今年しか味わうことができない特別な花火を、私も皆様とともに存分に楽しみたいと思います。
 また、「おんまく」は来年、記念すべき30回目という節目を迎えますが、近年の猛暑の影響等を踏まえ、実行委員会において長期に検討が深められた結果、来年からは来場者や運営に関わる皆様の安全確保を第一に、開催時期を10月第1週へ移し、1日開催とする方向が示されております。
 こうした節目を契機として、「おんまく」が時代に即した形で発展しながら、市民の皆様に末永く親しまれるまつりとして、次世代へ受け継がれていくことを願います。

 以上申し上げました案件は全て、「市民が真ん中」のまちづくりを支える、大きな力であります。

 全ての市民の安全・安心を守りながら、地域の力を最大限に引き出し、本市の魅力を国内外へ力強く発信することで、「瀬戸内の世界都市」の実現に向けた歩みを着実に進めてまいります。

 結びになりますが、中東情勢の悪化に伴い、原油調達やナフサなど石油化学原料の供給に不足が生じ、市民生活や産業活動全体への影響が懸念されていたところでございますが、先週17日(現地時間)に、アメリカとイランによるホルムズ海峡の再開に向け、覚書への正式署名がなされたとのニュースが入ってまいりました。
 まだ海上輸送路の安全確保について課題は残りますものの、事態は改善に向かうものと思われ、海上物流の安定化に向け、明るい兆しが見えてきたものと受け止めております。
 しかしながら、こうした動きが足元の地域経済にまで波及するには、なお一定の時間を要するものと考えられますため、今議会で議決を賜りました物価高騰対応関連予算をはじめ、諸課題に対応した各種施策につきましては、着実かつ速やかに執行し、その効果を最大限発揮できるよう全力で取り組んでまいります。

 議員各位におかれましては、引き続き一層のご理解、ご協力を賜りますようお願い申し上げまして、閉会にあたってのご挨拶とさせていただきます。
 ありがとうございました。

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