令和8年 9月定例会
市長招集あいさつ
本日、第4回定例会を招集いたしましたところ、議員各位のご参集を賜り、厚くお礼申し上げます。
先週、8月25日、今治市の市民課職員が窃盗容疑で逮捕されるという事案が発生いたしました。市民の皆様の信頼を著しく損なう、極めて深刻な事態を引き起こしましたことに、深くお詫びを申し上げます。
現在、捜査機関による取り調べが進められているところであり、本市といたしましても、その動向を注視しつつ、判明した事実に基づき、当該職員に対して厳格な処分を速やかに下す所存でございます。
一人の職員のこうした行為が、一瞬にして市政に対する信頼の失墜につながるということを肝に銘じ、組織の規律を徹底的に正すとともに、全庁挙げて再発防止に取り組み、信頼回復に努めてまいります。
次に、何点かご報告がございます。
まず、熊本地震への本市の対応状況についてです。
去る7月28日に発生の令和8年熊本地震により尊い命を失われた方々に対しまして、改めて、哀悼の意を表しますとともに、ご遺族の皆様にお悔やみ申し上げます。
あわせまして、被災された全ての皆様にお見舞い申し上げます。一刻も早い復旧・復興、そして平穏な暮らしを取り戻されますことを切に願っております。
今回の熊本地震への対応につきましては、発災直後、水道施設に大きな被害が生じ、広範囲で断水が発生したことを受け、住民生活に欠くことのできない水の確保を支援するため、本市水道職員を2名1班体制として、給水車及び資機材車により、先月2日から26日まで、計4班、のべ8名が順次交代しながら宇土市、宇城市、八代市などで応急給水活動に従事いたしました。
また、避難所支援といたしまして、愛媛県の調整のもと、被害の大きかった氷川町に対し、先月3日から明後日までの1か月間、県内市町が交代で職員を派遣し支援することが決定しており、本市からは防災危機管理課の職員2名が、先月13日から19日までの1週間、現地での任務に当たりました。
任務を終え現地から帰還した職員からは、
- 電気・通信の復旧に比べ、水道の復旧に時間を要しており、生活用水の確保など、給水支援の重要性を改めて実感した。
- 道路啓開が早期に進んだことが、被災地への円滑な支援につながった。
- 仮設トイレや簡易シャワーなどについて、要配慮者の利用を考えた配置やレイアウトが重要である。
などの報告を受け、私からは、「今回の経験を今後の本市の防災対策にしっかりと生かすとともに、現地で感じた距離感や空気感を、他の職員にもしっかりと共有」するようお伝えをしたところでございます。
なお、このほかの支援としまして、タオル工業組合およびトラック協会のご協力のもと、支援物資としてフェイスタオル2,000枚を氷川町の皆様にお届けしたほか、市民の皆様からの義援金をお預かりする募金箱を市役所本庁、支所に設置するとともに、熊本県益城町(ましきまち)へのふるさと納税代理寄附の受付を実施しております。
被災地の状況に鑑み、今後想定される追加の職員派遣や物的支援などの要請に備えるとともに、本市といたしましては、現場の状況やニーズをしっかりと把握し、市民の皆様のご理解とご協力をいただき、引き続き被災地に寄り添った支援に努めてまいります。
次に、7月19日、島しょ部の賑わい創出の新たな顔となる「伯方島テラス」がグランドオープンいたしました。宿泊施設やカフェ、交流スペースなどを備えたこの施設は、単なる観光・交流拠点にとどまらず、地域の未来を切り拓く挑戦の象徴であります。
オープニングセレモニーにおいては、施設の運営を担う伯方島まちづくり株式会社の阿部代表が、「賑わいづくりの拠点として、官民連携でオープンさせた。島しょ部の人口減少が進んでいると言われているが、私はその人口減少に抗いたい」と力強く語られ、伯方島の未来を思い、溢れんばかりの郷土愛から発せられたその言葉に、強く心を打たれました。
人口減少や少子高齢化は、全国の地方都市が直面する大きな課題です。しかし、その現実をただ受け入れるのではなく、地域に暮らす人々、事業者、そして行政が知恵を出し合い、新たな賑わいや交流、挑戦を生み出そうとする志こそが、地域の未来を切り拓く原動力になると確信しています。
本市といたしましても、この施設が持つ可能性を最大限に引き出せるよう、地域の皆様とともに知恵を絞り、「人口減少に抗う」挑戦を後押ししてまいりたいと考えております。
次に、先月4日に開催の中学生議会についてでございます。今年は、市内9校から27名の生徒にご参加をいただきました。
中学生議員の皆さんは、自分たちの暮らしや地域の課題にしっかりと向き合い、「もっと今治を良くしたい」との熱い思いを胸に、一人ひとりが堂々と質問や提案をしてくれました。
その内容も、離島における救急搬送体制の提案、学校体育館へのWi-Fi環境の整備、海事産業の未来やロボット都市宣言についての質問など、防災・教育から環境、産業、国際交流まで実に幅広く、中学生ならではの柔軟な発想と感性、そして、私たち大人とは全く違った視点から生まれる問題意識に驚かされると同時に、大きな刺激をいただきました。
また、単に課題を指摘するのではなく、「どうすればもっと良くなるのか」自分なりの解決策や提案までを、まさに「市民が真ん中」の視点で真剣に考え、未来志向で議論する姿にも強い感銘を受けました。
今回寄せられた意見や提案を、私たちはしっかりと受け止め、できるものから市政に生かしていくことで、中学生の皆さんが将来も「今治って、なんか動いていて、いいよね」「今治こそが、自分たちの故郷だ」と思えるまちをつくっていかなければなりません。「改革を恐れて何もしないのではなく、子どもたちのために、未来のために、出来ることから着実に手を付けないといけない」との思いを、改めて強くした一日でありました。
続いて、先月8日、9日と盛大に開催されました、第29回今治市民のまつり「おんまく」についてでございます。
今年は「NOSTALGIA ~郷愁~」をテーマに掲げ、踊りや郷土芸能、そして夜空を彩った「おんまく花火」など、多彩な催しが今治の夏を大いに盛り上げてくれました。ご尽力いただいた関係各位、市民の皆様に改めて感謝申し上げます。
会場には多くの市民や帰省客が集い、それぞれの心にある「ふるさと今治」に思いを馳せ、世代を超えて笑顔と感動を分かち合うひとときとなりました。
また、本市を舞台とした10月9日公開の映画「汝、星のごとく」の機運を高めるコラボレーション花火も打ち上げられ、今治の魅力を広く発信する機会ともなりました。こうした取組を通じて、本市への関心がいっそう高まり、多くの方々にこのまちの魅力や人の温かさに触れていただけることを期待しています。
今年のおんまくは、長年市民に親しまれてきた「夏開催」としては最後となりました。夜空を鮮やかに彩ってきた名物の尺玉100連発も、夏のおんまくとしては見納めとなり、尾を引いて海へと消えていく幾千の光を、名残惜しく見つめられた方も多かったのではないかと思います。
来年からは熱中症対策などの観点から秋開催へと移行し、新たな歴史を刻むこととなりますが、時代の変化に合わせて姿を変えながら、次の世代へ受け継いでいくこともまた、伝統を守るということだと思います。第30回の節目を迎える来年のおんまくが、受け継がれてきた伝統と熱気を大切に、さらなる発展と盛り上がりにつながることを大いに期待しています。
さて、本定例会におきましては、国の物価高騰対応 重点支援 地方創生臨時交付金の追加交付の内示を受け、6月補正で計上いたしました「緊急支援総合パッケージ」を補完する形で、子育て、福祉、産業、DX、防災などの分野において、これまでの物価高騰対応予算で十分にカバーしきれていなかった部分への支援を行うことで、市民生活を支え、地域の活力を高めるための事業を盛り込んだほか、防災用の発電機や衛星通信機器の購入、中学生議会での提案を受けての対応となります「指定避難所となる小中学校体育館へのWi-Fi設置」など、大規模災害時の対応力強化に資する施策などについてもご提案をさせていただきます。
厳しい社会経済情勢が続く中にあっても、今治は着実に変わり始めています。
暮らしを守り、地域の挑戦を支え、将来への備えを進めることで、その変化を確かな成長へと結び付け、「STAGE CHANGE」のスローガンのもと、「脱・衰退」の実現に向けて、引き続き全庁一丸となって取り組んでまいります。
議員各位におかれましても、今後とも一層のご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げまして、開会にあたりましてのご挨拶とさせていただきます。
市長 提案理由説明
この度の定例市議会におきましては、令和8年度補正予算案をはじめ、当面する市政の諸案件につきましてご審議いただくこととなってございますので、よろしくお願い申し上げます。
先ほど、招集あいさつでも触れましたとおり、国の物価高騰対応 重点支援 地方創生臨時交付金の追加交付の内示を受け、6月補正で計上いたしました「緊急支援総合パッケージ」を補完する形で、長引く物価高騰下における更なるニーズにお応えし、市民生活を支え、地域の活力を高めるための予算を上程いたしますとともに、10月9日公開の映画「汝、星のごとく」にちなんだ観光コンテンツの造成や、高校生の映画鑑賞機会を創出するための予算、DXの更なる推進による公共施設の利便性向上に資するもの、さらには、非常用発電機や衛星通信機器の整備、指定避難所となる小中学校体育館へのWi-Fi設置といった、大規模災害時の対応力強化に資するもの、など必要な予算をご提案させていただいております。
それでは、本日ご提案申し上げました案件の主なものにつきまして、私が公約に掲げる政策の柱に沿って、ご説明申し上げます。
直面する課題への対応
はじめに、直面する課題への対応、物価高騰への対応でございます。
今回は、「こども」「高齢者・障がい者」「観光」「事業者」及び「その他市民活動」の各分野を対象に、生活負担の軽減や事業継続に向けた支援を実施してまいります。
子育て環境の充実に向けたネウボラサテライトの機能強化としましては、対象施設への絵本や書籍、レクリエーションゲームを充実させるとともに、おでかけ児童館など様々な場所でご利用いただける移動式遊具の整備、また、親子が安心してネウボラサテライトを利用するためのクッションマット等の整備を行います。
加えて、外出が困難な在宅要介護者や重度障害者、またその介護者に対する理美容サービスの利用支援や、一人暮らし高齢者などに対し、人感センサーなどのICT機器を活用した「見守りサービス」の導入を支援する予算、文化観光コンテンツの創出や観光案内サインの整備、本市の基幹産業であるタオル産業における小規模事業者等の販売力の強化や人材確保の支援、首都圏などでの認知度向上やPR強化に要する経費の一部を支援し、業界全体の底上げと持続的な発展に資する予算、柑橘等の品質向上と安定生産の確保に資する被覆資材の購入支援などにより、地域経済の活性化と市民生活の向上を図ってまいります。
また、「汝、星のごとく」の映画鑑賞や、FC今治などのプロスポーツ観戦機会の創出、電子図書館における電子書籍の充実、集会所の空調整備や公営住宅のLED化などにより、物価高騰下における生活環境の充実を図ります。
以上が、国の「物価高騰対応 重点支援 地方創生臨時交付金」を財源とする事業となります。
考動する市役所」がある『まち』に
続いて「考動する市役所」がある『まち』にでございます。
スマートシティ今治(デジタル化)の推進としまして、公共施設を利用される皆様の利便性向上と施設管理の効率化を図るため、市の公式LINEアカウントから公共施設を予約できる仕組みを導入するとともに、公共施設にスマートロックを試験導入し、鍵の受け渡し業務の省力化と施設管理の効率化を検証いたします。
また、地域コミュニティーの要でございます自治会の運営に関し、「デジタル回覧板」を試験導入し、その効果を検証します。
人が元気になる『まち』に ~ひとりひとりが輝く今治の創出~
続いて人が元気になる『まち』に ~ひとりひとりが輝く今治の創出~でございます。
今治型学校教育の推進に資する、英語教育や多文化共生を担う新たな地域おこし協力隊員を配置し、グローバル人材の育成や教育環境の充実を図る一方で、健康・医療・福祉都市づくりに向け、物価高騰や担い手不足への対応として、民生委員の報償費を増額し、地域福祉活動を支えてまいります。また、障がい者支援施設や老人福祉施設の整備に関し国、県の内示が得られたものにつきまして、その費用の一部を助成するものでございます。
また、多文化共生推進プランに基づき、やさしい日本語の普及や日本語教室の拡充、外国人住民との交流促進、防災分野での多言語対応などを進め、共生社会の充実を図ってまいります。
産業に活力を与える『まち』に~瀬戸内クロスポイント構想のさらなる推進~
続いて産業に活力を与える『まち』に~瀬戸内クロスポイント構想のさらなる推進~に向け、農業分野における省力化や作付面積拡大に資する各種機械導入経費の助成を行い、強い農・林・水産業づくりを推進してまいります。
しなやかで強靭な『まち』
続いてしなやかで強靭な『まち』をつくるための安全・安心なまちづくりに向けて、土砂災害警戒区域における急傾斜地対策として擁壁整備を実施し、市民の生命・財産を守る防災対策を進めるとともに、6月から7月初旬の台風及び豪雨により被災した農地や農業用施設の復旧対応を行ってまいります。また、岩手県大槌町で発生しました山林火災に対し、本市が代理で受け付けた災害支援寄附金を被災自治体へお届けするための予算も計上いたしております。
さらには地域ディフェンス力の強化として、しまなみ総合庁舎へ非常用発電機や衛星通信設備を整備し、島しょ部における災害対応拠点機能の強化を図るほか、避難所機能の向上とあわせて、平時における教育環境の充実につなげるため、市内全ての小中学校体育館にWi-Fi環境の整備を進めてまいります。
この結果、今回の補正予算額は、一般会計 5億9,646万4千円でございまして、本年度予算の累計額は、全ての会計あわせて1,457億6,405万円となってございます。
この補正予算につきましては、国・県支出金や市債などの特定財源を充当することといたしております。
以上が補正予算の概要でございますが、 これらのほか、職員の退職手当制度の見直しや大学等進学者に対する奨学金貸付額の拡充などにかかる条例案をはじめ、公共施設LED化推進事業、消防指令システム等の更新構築などに係る契約議案、公有水面埋立てに関する議案などを提出してございます。
ご提案いたしました事業の執行により、引き続き、物価高騰対応策などの直面する課題やDXの推進、活力ある産業の推進、そして、しなやかで強靭なまちづくりのため、全力を傾注してまいります。
以上で、本日ご提案申し上げました議案の説明を終わらせていただきます。ご審議のほど、よろしくお願い申し上げます。
お問い合わせ
秘書広報課
電話番号:0898-36-1634メール:hisyokouhou@imabari-city.jp
〒794-8511 今治市別宮町1丁目4番地1 本庁本館2階