○今治市文化財保護条例
平成17年1月16日
条例第107号
(目的)
第1条 この条例は、今治市の区域内に所在する文化財を保存し、かつ、その活用を図り、もって市民の文化的向上に資するとともに、わが国文化の進歩に貢献することを目的とする。
(定義)
第2条 この条例において「文化財」とは、次に掲げるものをいう。
(1) 有形文化財 建造物、絵画、彫刻、工芸品、書跡、典籍、古文書その他有形の文化的所産で歴史上又は芸術上価値の高いもの(これらのものと一体をなしてその価値を形成している土地その他の物件を含む。)並びに考古資料及び歴史資料で学術上価値の高いもの
(2) 無形文化財 演劇、音楽、工芸技術その他無形の文化的所産で、歴史上又は芸術上価値の高いもの
(3) 民俗文化財 衣食住、生業、信仰、年中行事等に関する風俗慣習、民俗芸能及びこれらに用いられる衣服、器具、家具その他の物件で生活の推移の理解のために欠くことのできないもの
(4) 記念物 貝づか、古墳、都城跡、城跡、旧宅その他の遺跡で歴史上又は学術上価値の高いもの、庭園、橋りょう、峡谷、海浜、山岳その他の名勝地で芸術上又は観賞上価値の高いもの並びに動物(生息地、繁殖地及び渡来地を含む。)、植物(自生地を含む。)及び地質鉱物(特異な自然の現象の生じている土地を含む。)で学術上価値の高いもの
(指定)
第3条 市長は、市の区域内にある文化財のうち文化財保護法(昭和25年法律第214号。以下「法」という。)及び愛媛県文化財保護条例(昭和32年愛媛県条例第11号。以下「県条例」という。)で指定を受けたもの以外で、保護の価値があると認められるものを今治市指定文化財(以下「市指定文化財」という。)に指定することができる。
(指定の申請)
第4条 前条の指定を受けようとするものは、市長に対し指定の申請をしなければならない。
(解除)
第5条 市長は、市指定文化財が市の区域内に所在しなくなったとき又はその価値を失ったときその他特別の事由があるときは、その指定を解除することができる。
2 市指定文化財が法又は県条例によって、文化財等に指定されたときは、市の指定はその効力を失う。
(管理責任)
第7条 市指定文化財の所有者等は、この条例及びこの条例に基づく規則並びに市長の指示に従い、これを管理しなければならない。
(届出事項)
第8条 市指定文化財の所有者等は、次の各号のいずれかに該当するときは、20日以内に市長に届け出なければならない。
(1) 市指定文化財を滅失し、又は損傷したとき。
(2) 市指定文化財の所有者等が異動したとき。
(3) 市指定文化財の所在を変更したとき。
(許可事項)
第9条 市指定文化財の所有者等は、次に掲げる行為をしようとするときは、あらかじめ市長の許可を受けなければならない。
(1) 市指定文化財の現状を変更し、又はその保存に影響を及ぼす行為をしようとするとき。
(2) 市指定文化財の保存の方法を変更しようとするとき。
(3) 市指定文化財を市の区域外に移そうとするとき。
(管理、修理等に関する勧告)
第10条 市長は、市指定文化財の管理又は修理、保存若しくは復旧(以下「修理保存及び復旧」を「修理等」という。)に関し必要があるときは、所有者等に対し適当な措置を勧告することができる。
(報告及び調査)
第11条 市長は、必要があると認めるときは、市指定文化財の所有者等に対し現状又は管理若しくは修理等の現状につき報告を求め、又は所有者等の同意を得て市指定文化財の所在する場所に立ち入り、調査することができる。
(経費)
第12条 市指定文化財の管理又は修理等に要する経費は、所有者等の負担とする。
(助成)
第13条 市指定文化財の管理又は修理等について、多額の経費を要し、所有者等がその負担に堪えない場合その他特別の事情があると認めるときは、その経費の一部に充てるため予算の範囲内で助成金を交付することができる。
2 市指定文化財のうち特に価値の高いもので衰亡するおそれのあるものについては、予算の範囲内で助成金を交付することができる。
(審議会)
第14条 法第190条第2項の規定により、今治市文化財保護審議会(以下「審議会」という。)を置く。
2 審議会は、市長の諮問に応じて、文化財の保存及び活用に関する重要事項について調査審議し、並びにこれらの事項に関して市長に建議する。
3 審議会の委員の定数は、15人以内とする。
4 審議会の委員の任期は、2年とし、欠員を生じた場合の補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。
(委任)
第15条 この条例の施行に関し必要な事項は、市長が別に定める。
附則
(施行期日)
1 この条例は、平成17年1月16日から施行する。
(経過措置)
2 この条例の施行の日の前日までに、合併前の今治市文化財保護条例(昭和38年今治市条例第5号)、朝倉村文化財保護条例(昭和44年朝倉村条例第12号)、玉川町文化財保護条例(昭和37年玉川町条例第2号)、波方町文化財保護条例(昭和40年波方町条例第10号)、大西町文化財保護条例(昭和51年大西町条例第23号)、菊間町文化財保護条例(昭和56年菊間町条例第19号)、吉海町文化財保護条例(昭和48年吉海町条例第26号)、宮窪町文化財保護条例(昭和48年宮窪町条例第19号)、伯方町文化財保護条例(昭和53年伯方町条例第11号)、上浦町文化財保護条例(平成9年上浦町条例第10号)、大三島町文化財保護条例(昭和37年大三島町条例第78号)又は関前村文化財保護条例(昭和54年関前村条例第15号)の規定によりなされた処分、手続その他の行為は、それぞれこの条例の相当規定によりなされたものとみなす。
附則(令和7年3月6日条例第2号)
(施行期日)
1 この条例は、令和7年4月1日から施行する。
(経過措置)
2 この条例の施行の日(以下「施行日」という。)以後、市長が管理し、及び執行することとなる事務について、この条例の施行の際、現にその効力を有する教育委員会がした処分その他の行為は市長がしたものと、施行日前に教育委員会に対してなされた申請その他の行為は市長に対してなされたものとみなす。