○今治市環境基本条例

平成17年1月16日

条例第171号

(目的)

第1条 この条例は、環境の保全についての基本理念を定め、市、市民及び事業者の責務を明らかにするとともに、環境の保全、再生及び創造(以下「環境の保全」という。)に関する施策の基本となる事項を定めることにより、この条例に基づく施策を総合的かつ計画的に推進し、現在及び将来の市民が良好な環境で生活できる持続可能な社会の実現、循環型社会の構築に寄与することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 環境への負荷 人の活動により環境に加えられる影響であって、環境の保全において、支障の原因となるおそれのあるものをいう。

(2) 公害 環境の保全においての支障のうち、事業活動又は人の活動に伴って生じる相当範囲にわたる大気汚染、水質汚濁(水質以外の水の状態又は水底の底質が悪化することを含む。)、土壌汚染、騒音、振動、地盤沈下(鉱物の掘採のための土地の掘削によるものを除く。)及び悪臭によって、人の健康又は生活環境(人の生活に密接な関係のある財産並びに人の生活に密接な関係のある動植物及びその生育環境を含む。以下同じ。)に係る被害が生じることをいう。

(3) 地球環境の保全 人の活動による地球全体の温暖化、オゾン層の破壊の進行、海洋汚染、野生生物の種の減少その他地球全体又はその広範な部分の環境に影響を及ぼす事態に係る環境の保全であって、人類の福祉に貢献するとともに、市民の健康で文化的な生活の確保に寄与するものをいう。

(基本理念)

第3条 環境の保全は、市民が自然と共生し、健全で恵み豊かな環境の恵沢を享受し、これを将来の市民に継承していくことを目的として行われなければならない。

2 環境の保全は、循環型社会を基調とし、環境への負担が少ない社会、持続的な発展が可能な社会を構築することを目的として、すべての者の公平な役割分担のもとに、自主的かつ積極的に行われなければならない。

3 地球環境の保全は、地域の環境が地球全体の環境と密接な関係にあることを認識し、すべての事業活動及び日常生活において積極的に推進されなければならない。

(市の責務)

第4条 市は、前条に規定する環境の保全についての基本理念(以下「基本理念」という。)に基づき、基本的かつ総合的な施策を策定し、実施しなければならない。

(事業者の責務)

第5条 事業者は、基本理念に基づき、事業活動に伴って生ずる公害を防止し、又は自然環境を適正に保全するため、次に掲げる事項を遂行するよう努めなければならない。

(1) 物の製造、使用及び廃棄のそれぞれの場合において、環境への負荷を低減すること。

(2) エネルギーの有効利用、再生資源等環境への負荷の低減に有効な原材料、役務等を利用すること。

2 事業者は、市が実施する環境の保全に関する施策に協力する責務を有するとともに、市民等が行う環境保全活動に協力するよう努めなければならない。

(市民の責務)

第6条 市民は、基本理念に基づき、環境の保全に関する理解を深め、日常生活において、省資源、省エネルギー、廃棄物の減量等の推進により、環境への負荷の低減に努めなければならない。

2 市民は、市が実施する環境の保全に関する施策に、積極的に協力しなければならない。

(施策の基本方針)

第7条 市は、環境の保全に関する施策の策定及び実施に当たっては、基本理念に基づき、次に掲げる基本方針により、総合的かつ計画的に推進するものとする。

(1) 大気、水、土壌その他の自然を良好な状態に保持することにより、市民の健康を保護し、生活環境を保全すること。

(2) 生態系の多様性の確保、野生生物の種の保存その他生物の多様性を確保するとともに、森林、農地、水辺地等における多様で恵み豊かな自然環境の保全を図ること。

(3) 人と自然との豊かな触れ合いが保たれ、地域の個性を生かした良好な景観が形成され、歴史的及び文化的な遺産の保全が図られること。

(4) 再資源化、エネルギーの有効な利用、廃棄物の減量等の推進を図ることにより、環境への負荷の低減が図られること。

(5) 地球環境の保全のため、地球の温暖化の防止、オゾン層の保護を推進すること。

(環境基本計画)

第8条 市長は、環境の保全に関する施策を、総合的かつ計画的に推進するため、今治市環境基本計画(以下「環境基本計画」という。)を定めなければならない。

2 環境基本計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。

(1) 環境の保全に関する総合的かつ長期的な施策

(2) 市及び市民等が、環境の保全に配慮すべき具体的な事項

(3) 前2号に掲げるもののほか、環境の保全に関する施策を推進するために必要な事項

3 市長は、市民及び事業者の意見が、環境基本計画に反映することができるように必要な措置を講ずるとともに、今治市環境審議会の意見を聴かなければならない。

4 市長は、環境基本計画を定めたときは、速やかに、これを公表しなければならない。

5 前2項の規定は、環境基本計画の変更について準用する。

(環境報告書の作成)

第9条 市長は、環境基本計画の適切な進行管理を図るため、市の環境の現状、環境の保全に関する施策の実施状況についての環境報告書を作成し、公表するものとする。

(施策の策定等に当たっての配慮)

第10条 市は、環境に影響を及ぼすと認められる施策を策定し、及び実施するに当たっては、環境の保全について十分配慮しなければならない。

(規制の措置)

第11条 市は、公害の原因となる行為その他の環境の保全等に対する支障を防止するために必要な規制の措置を講じなければならない。

(施策の推進)

第12条 市は、環境の保全に関する施策の推進のため、必要かつ適正な財政上の措置を講ずるよう努めるものとする。

(環境の保全に資する施設の整備等)

第13条 市は、環境の保全に関する公共的施設の適正な事業等を推進するため、必要な措置を講ずるものとする。

2 市は、自然環境の適正な整備及び健全な利用を図る事業等を推進するため、必要な措置を講ずるものとする。

3 市は、今治地方固有の豊かな自然環境を保全し、又は再生するため、人と自然が触れ合える機会の提供に努めるものとする。

(資源の循環利用等の推進)

第14条 市は、資源の循環利用を積極的に推進し、廃棄物の減量と環境への負荷の少ない持続的に発展することのできる社会の構築に努めるものとする。

(環境の保全に関する教育、学習等)

第15条 市は、市民及び事業者が、環境の保全に関する理解を深めるとともに、活動の意欲が増進されるようにするため、環境の保全に関する教育及び学習の振興並びに広報活動の充実等、必要な措置を講ずるものとする。

(自発的な活動の促進)

第16条 市は、市民、事業者又はこれらの者の組織する民間の団体が、自発的に行う環境の保全に関する活動が促進されるよう指導、助言その他必要な措置を講ずるものとする。

(情報の提供)

第17条 市は、環境の保全に関する教育及び学習の振興並びに市民等が自発的に行う環境の保全に関する活動が促進されるよう必要な情報を適切に提供するよう努めるものとする。

(調査監視等)

第18条 市は、環境の保全に関する施策を適正に実施するため、環境の状況を的確に把握するとともに、必要な監視、測定等の体制の整備に努めるものとする。

(地球環境の保全の推進)

第19条 市は、市、市民及び事業者が、それぞれの役割に応じて地球環境を保全するための指針を定め、その普及及び啓発を図り、行動が促進されるよう努めるものとする。

(国及び他の地方公共団体との協力)

第20条 市は、環境の保全を図るため、広域的な取組を必要とする施策について、国及び他の地方公共団体と協力して、その推進に努めるものとする。

(市民等の意見)

第21条 市は、環境の保全に関する施策に、市民等の意見を適切に反映するための必要な措置を講ずるものとする。

(推進体制の整備等)

第22条 市は、その機関相互の緊密な連携を図り、環境の保全に関する施策を積極的に推進するため、必要な体制の整備に努めるものとする。

2 市は、市民等と協働して、施策を積極的に推進するため、体制の整備等の必要な措置を講ずるよう努めるものとする。

(委任)

第23条 この条例に定めるもののほか、必要な事項は、市長が別に定める。

この条例は、平成17年1月16日から施行する。

今治市環境基本条例

平成17年1月16日 条例第171号

(平成17年1月16日施行)