○今治市消防救急業務規程

平成30年2月26日

消防本部規程第2号

今治市消防救急業務規程(平成17年今治市消防本部規程第16号)の全部を改正する。

(目的)

第1条 この規程は、消防法(昭和23年法律第186号。以下「法」という。)に定める救急業務に関し必要な事項を定め、効率的な運用を図ることを目的とする。

(定義)

第2条 この規程において次に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 救急業務 法第2条第9項に規定する救急業務をいう。

(2) 救急救命士 救急救命士法(平成3年法律第36号)第2条第2項に規定する救急救命士をいう。

(3) 指導救命士 救急業務に携わる職員の生涯教育のあり方(平成26年消防庁消防救第103号)に定める指導救命士をいう。

(4) 救急自動車 救急業務を行う自動車をいう。

(5) 消防救急艇 消防、救急業務を行う船舶をいう。

(6) 転院搬送 現に医療機関に収容されている傷病者を当該収容医療機関の要請に基づいて他の医療機関に搬送することをいう。

(7) 救急事故 法第2条第9項及び消防法施行令(昭和36年政令第37号。以下「令」という。)第42条に規定する救急業務の対象である事故及び疾病をいう。

(8) 医療機関 医療法(昭和23年法律第205号)第1条の5に規定する病院及び診療所をいう。

(9) メディカルコントロール 消防機関と医療機関との連携により、医学的観点から救急救命士を含む救急隊員が行う応急処置等の質を保証することをいう。

(救急業務の管理責任)

第3条 消防長は、この規程の定めるところにより、救急業務を統括するものとする。

(救急隊の編成)

第4条 消防長は、救急救命士の資格を有する隊員及び令第44条第5項に規定する隊員をもって救急隊を編成するよう努めるものとする。

(救急隊長)

第5条 消防長は、救急隊に編成された者(以下「隊員」という。)のうち、階級が最上位のもの1人を救急隊長(以下「隊長」という。)とする。

2 隊長は、上司の命令を受け、隊員を指揮監督し、救急業務を円滑に行うよう努めなければならない。

(指導救命士の配置)

第6条 消防長は、指導救命士を署所(消防力の整備指針(平成12年消防庁告示第1号)第2条第3号に規定する署所をいう。)に配置するよう努めるものとする。

2 指導救命士の運用に関し必要な事項は、消防長が別に定める。

(隊員の教育訓練)

第7条 消防長は、隊員に対し、救急業務を行うに必要な学術及び技能を習得させるため、常に教育訓練を行うよう努めなければならない。

(隊員の服装)

第8条 隊員は、救急業務を行う場合は、消防吏員服制基準(昭和42年消防庁告示第1号)に従った救急帽、救急服及び救急用の靴を着用するものとする。ただし、安全を確保するため必要があるときは、救急帽に代えて保安帽及び防護服等を着用するものとする。

(救急自動車の要件)

第9条 救急自動車は、道路運送車両の保安基準(昭和26年運輸省令第67号)に定める緊急自動車の基準に適合し、かつ、次に掲げる構造及び設備を有するものとする。

(1) 隊員3人以上及び傷病者2人以上を収容し、かつ第13条第1項に定めるものを積載できる構造のものであること。

(2) 4輪自動車であること。

(3) 傷病者を収容する部分の大きさが、次のとおりであること。

 長さ1.9メートル、幅0.5メートル以上のベッド1台以上及び担架2台以上を収納し、かつ、隊員が業務を行うことができる容積を有するもの

 室内の高さが、隊員が業務を行うに支障がないもの

(4) 十分な緩衝装置を有するものであること。

(5) 適当な防音、換気及び保温のための装置を有するものであること。

(6) 前各号に掲げるもののほか、救急業務を実施するために必要な構造及び設備を有するものであること。

2 前項の規定にかかわらず、幅員が救急自動車の通行に十分でない道路を通行して救急業務を行う必要がある場合は、前項第1号及び第3号アの基準を満たさない自動車を救急業務に使用することができる。

(消防救急艇の要件)

第10条 消防救急艇は、強度、構造及び性能が小型船舶安全規則(昭和49年運輸省令第36号)に定める安全性を確保するための技術上の基準に適合し、かつ、次に掲げる構造及び設備を有するものとする。

(1) 隊員3人以上及び傷病者2人以上を収容し、かつ、第13条第1項に定めるものを積載できる構造のものであること。

(2) その他救急業務を実施するために必要な構造及び設備を有するものであること。

(高規格の救急自動車の配置)

第11条 消防長は、救急隊員及び准救急隊員の行う応急処置等の基準(昭和53年消防庁告示第2号)第6条第3項に規定する応急処置を行うために必要な構造及び設備を有する救急自動車を配置するよう努めるものとする。

(救急自動車の標示)

第12条 署所に配置する救急自動車の側面には、今治市消防本部又は当該消防署名を標示するものとのする。

(救急自動車及び消防救急艇に備える資器材)

第13条 消防長は、救急自動車及び消防救急艇に別表第1に掲げる資器材を備えるものとする。

2 消防長は、救急自動車及び消防救急艇に別表第2に掲げる資器材を備えるよう努めるものとする。

(救急隊の出動)

第14条 消防長又は消防署長は、救急事故が発生した旨の通報を受けたとき又は救急事故が発生したことを知ったときは、当該事故の発生場所、傷病者の数及び傷病の程度等を確かめ、直ちに救急隊を出動させなければならない。

2 隊長は、出動中の救急自動車に事故が発生した場合は、別に定めるところに従い措置を講ずるものとする。

(口頭指導)

第15条 消防長は、救急要請時に、通信指令室又は現場出動途上の救急自動車等から、救急現場付近にある者に、電話等により応急手当の協力を要請し、その方法を指導するよう努めるものとする。

(搬送を拒んだ者の取扱い)

第16条 隊員は、救急業務の実施に際し、傷病者又はその関係者が搬送を拒んだ場合は、これを搬送しないものとする。

(医師の要請)

第17条 隊員は、次の各号のいずれかに該当する場合は、速やかに救急現場に医師を要請し、必要な処置を講ずるよう努めるものとする。

(1) 傷病者の状態から見て搬送することが生命の危険であると認められる場合

(2) 傷病者の状態からみて搬送可否の判断が困難な場合

(救急業務支援の要請)

第18条 隊員又は通信員は、傷病者の容体悪化の軽減及び救命率の向上のため必要と認める場合は、消防隊に救急業務の支援を要請することができるものとする。

2 救急業務の支援に関し必要な事項は、消防長が別に定める。

(ドクターヘリ等の要請)

第19条 隊員又は通信員は、救急現場で医師による早期治療を要すると認める場合は、ドクターヘリ又はドクターカーの出動を要請することができるものとする。

(死亡者の取り扱い)

第20条 隊長は、傷病者が明らかに死亡している場合又は医師が死亡していると診断した場合は、これを搬送しないものとする。

(関係者の同乗)

第21条 隊員は、救急業務の実施に際し、傷病者の関係者又は警察官が同乗を求めたときは、これに応ずるよう努めるものとする。

(感染症と疑われる者の取扱い)

第22条 隊長は、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成10年法律第114号。以下「感染症法」という。)第6条に規定する1類感染症、2類感染症、新型インフルエンザ等感染症、指定感染症又は新感染症と疑われる傷病者を搬送した場合は、隊員、救急自動車及び消防救急艇等の汚染に留意し、直ちに所定の方法によりこれらの消毒を行い、この旨を感染症等傷病者搬送報告書(別記様式第1号)により消防長に報告するものとする。

2 消防長は、感染症法第27条の規定による愛媛県知事からの命令があった場合は、前項の傷病者に対する医師の診断結果を確認し、同条に定める消毒を講ずるものとする。

(感染防止)

第23条 隊員は、救急業務に従事する際は、感染の防止に努めなければならない。

2 感染の防止に関し必要な事項は、消防長が別に定める。

(要保護者等の取扱い)

第24条 消防長は、生活保護法(昭和25年法律第144号)に定める被保護者又は要保護者と認められる傷病者を搬送した場合においては、同法第19条各項に定める機関に通知するものとする。

(転院搬送)

第25条 転院搬送は、次の各号のいずれかに該当し、他に適当な搬送手段がない場合に、当該医療機関の医師から転院搬送依頼書(別記様式第2号)による要請を受けて行うものとする。

(1) 現に傷病者を収容している医療機関において治療能力を欠いており、かつ、緊急に当該傷病者の処置が必要であると当該医療機関の医師が認める場合

(2) 現に傷病者を収容している医療機関の医師が、当該傷病者の治療に高度又は専門医療が必要と認める場合

2 転院搬送は、当該医療機関の医師又は看護師の同乗が得られる場合に行うものとする。ただし、島しょ部等の医療機関からの転院搬送で、当該医療機関の医師が生命の危険及び症状の悪化のおそれがないと認めるときは、この限りでない。

(活動の記録)

第26条 隊員は、救急活動を行った場合は、救急活動報告書(別記様式第3号。以下「報告書」という。)に次に掲げる事項及び活動概要等所要の事項を記録しておくものとする。

(1) 救急事故発生年月日

(2) 覚知時刻

(3) 発生場所

(4) 発生原因

(5) 傷病者の住所、氏名、年齢及び性別

(6) 傷病の部位及び程度

(7) 傷病者を搬送した医療機関名、医師等

2 隊員は、傷病者を搬送し、医療機関に引き渡した場合は、当該事実を確認する医師の記名等を傷病者収容証(別記様式第4号)に受けるとともに、傷病名、傷病程度等について、当該医師の所見を聴取し、報告書に記録しておくものとする。

3 隊員は、応急処置等を行うに際し、医師の指示があった場合には、当該医師の氏名及びその指示内容を報告書に記録しておくものとする。

4 救急救命士は、救急救命士法施行規則(平成3年厚生省令第44号)第21条に定める救急救命処置を行った場合は、同規則第23条に定める事項について、遅滞なく救急救命処置録(別記様式第5号)に記録しなければならない。

(救急搬送の証明)

第27条 消防長は、傷病者又は傷病者の委任を受けた者から救急搬送証明交付申請書(別記様式第6号)により救急搬送の証明について申請があったときは、救急搬送証明書(別記様式第7号)を交付することができるものとする。

(家族等への連絡)

第28条 隊員は、傷病者の状況により必要があると認めるときはその者の家族等に対し、傷病の程度又は状況等を連絡するよう努めるものとする。

(医療機関との連絡)

第29条 消防長は、救急業務の実施について医療機関と常に密接な連絡をとるものとする。

2 消防長は、前項の規定に基づき知り得た医療機関の救急業務体制等の情報については、必要に応じ、近接する他の消防本部の消防長と相互に情報を交換するよう努めるものとする。

(団体等との連絡)

第30条 消防長は、メディカルコントロール体制に伴う関係協議会と関係団体等との救急業務の実施について情報を交換し、緊密な連絡をとるものとする。

(消毒)

第31条 消防長は、次に定めるところにより、救急自動車、消防救急艇及び積載品等の消毒を行うものとする。

(1) 定期消毒 月1回

(2) 使用後消毒 毎使用後

2 前項の規定による消毒を効果的に行うため、署所に滅菌器等の消毒用資器材を備えるものとする。

(救急資器材の管理)

第32条 消防長は、救急資器材の点検を常に行い、機能の保持に努めなければならない。

(薬剤管理)

第33条 消防長は、救急業務に使用する薬剤を適正に管理し、劇薬については、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和35年法律第145号)第48条の規定に基づき貯蔵するものとする。

(救急業務計画)

第34条 消防長は、特殊な救急事故の発生した場合における救急業務の実施についての計画を作成するものとする。

(救急調査)

第35条 消防長は、救急業務の円滑な実施を図るため、今治市の区域について、次に定めるところにより調査を行うものとする。

(1) 地勢及び交通の状況

(2) 救急事故が発生する蓋然性が高い対象物の位置及び構造

(3) 医療機関等の位置及びその他必要な事項

(4) 前各号に掲げるもののほか、消防長が必要と認める事項

(住民に対する普及啓発)

第36条 消防長は、住民に対する応急手当の普及啓発活動を計画的に推進するよう努めるものとする。

(県との連絡調整)

第37条 消防長は、県消防防災ヘリコプターにより救急業務を実施する場合は、救急業務の円滑な遂行のため県と必要な調整を図るものとする。

(委任)

第38条 この規程の施行に関し必要な事項は、別に定める。

この規程は、公布の日から施行する。

(令和2年3月23日消防本部規程第2号)

この規程は、令和2年4月1日から施行する。

(令和3年3月12日消防本部規程第5号)

この規程は、令和3年4月1日から施行する。

別表第1(第13条関係)

分類

品名

観察用資器材

血圧計

血中酸素飽和度測定器

検眼ライト

心電計

体温計

聴診器

呼吸・循環管理用資器材

気道確保用資器材

吸引器一式

喉頭鏡

酸素吸入器一式

自動式人工呼吸器一式

自動体外式除細動器

手動式人工呼吸器一式

マギール鉗子

創傷等保護用資器材

固定用資器材

創傷保護用資器材

保温・搬送用資器材

雨おおい

スクープストレッチャー

担架

バックボード

保温用毛布

感染防止・消毒用資器材

感染防止用資器材

消毒用資器材

通信用資器材

無線装置

その他の資器材

懐中電灯

救急バッグ

トリアージタッグ

膿盆

はさみ

ピンセット

分娩用資器材

冷却用資器材

備考

1 気道確保用資器材は、経鼻エアーウェイ及び経口エアーウェイを含む気道確保に必要な資器材をいう。

2 吸引器一式は、吸引用カテーテルを含む口腔内等の吸引に必要な資器材をいう。

3 酸素吸入器一式は、酸素ボンベ、酸素吸入用鼻カニューレ及び酸素吸入用マスクを含む酸素吸入に必要な資器材をいう。

4 自動式人工呼吸器一式は、換気回数及び換気量が設定できるものとし、手動式人工呼吸器及び酸素吸入器に含まれる資器材と重複するものは共用できるものとする。

5 自動体外式除細動器は、救急救命士が使用するものについては、心電図波形の確認及び解析時期の選択が可能なものが望ましく、メディカルコントロール協議会の助言等に応じて備えるものとする。

6 手動式人工呼吸器一式は、人工呼吸用のフェイスマスクを含む手動による人工呼吸に必要な資器材をいう。

7 固定用資器材は、副子及び頸椎固定補助器具を含む全身又は負傷部位の固定に必要な資器材をいう。

8 創傷保護用資器材は、三角巾及びガーゼ等を含む創傷被覆に必要な資器材をいう。

9 感染防止用資器材は、ディスポーザブル手袋、ディスポーザブルマスク、ゴーグル、N―95マスク及び感染防止衣を含む感染防止に必要な資器材をいう。

10 消毒用資器材は、各種消毒薬及び各種消毒器を含む消毒に必要な資器材をいう。

11 分娩用資器材は、臍帯クリップを含む分娩に必要な資器材をいう。

12 冷却用資器材は、ディスポーザブル瞬間冷却材等とする。

別表第2(第13条関係)

分類

品名

観察用資器材

血糖値測定器

呼吸・循環管理用資器材

呼気二酸化炭素測定器具

自動式心マッサージ器

心肺蘇生用背板

特定行為用資器材

ビデオ硬性挿管用喉頭鏡

通信用資器材

携帯電話

情報通信端末

心電図伝送等送受信機器

救出用資器材

救命綱

救命浮環

万能斧

その他の資器材

汚物入

在宅療法継続用資器材

リングカッター

その他必要と認められる資器材

備考

1 特定行為用資器材は、救急救命士法施行規則(平成3年厚生省令第44号)第21条に定める救急救命処置に必要な資器材とし、メディカルコントロール協議会の助言等に応じて備えるものとする。

2 心電図伝送等送受信機器は、実情に応じて備えるものとする。

3 在宅療法継続用資器材は、医療機関に搬送するまでの間において、在宅療法を継続するために必要な資器材とし、実情に応じて備えるものとする。

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今治市消防救急業務規程

平成30年2月26日 消防本部規程第2号

(令和3年4月1日施行)

体系情報
第15編 防災・消防/第3章 予防・警防・救急業務等
沿革情報
平成30年2月26日 消防本部規程第2号
令和2年3月23日 消防本部規程第2号
令和3年3月12日 消防本部規程第5号