学校給食での地産地消

(1)自校式調理場の設置

旧今治市では、昭和39年6月に建設された学校給食センターで、21,000食(昭和57年当時/24小中学校)の学校給食を作っていましたが、この調理場の老朽化に伴い単独自校方式の調理場の導入を決め、昭和58年4月の鳥生小学校を皮切りに、各小学校へ自校方式の調理場を順次整備しました。

現在は、10の単独調理場と11の共同調理場(うち4つは親子方式[調理場が小学校内にあり、近隣の学校の給食を一緒に作る方式])で小学校26校、中学校16校、高校2校、幼稚園2園の約13,000食の給食が調理されています。全調理場に栄養士を配置し、それぞれの調理場ごとに献立を作成して、手作りにこだわった給食を供給しております。また、調理場ごとに献立が違うことで、1調理場当たりの野菜や果物の必要数量が少なくなり(多い所で約2,500食分)、地元今治の農産物を取り入れやすいという状況が生み出されています。

(2)今治市産食材の活用

学校給食の食材は、今治市産の米、麦、大豆等の農産物を優先的に使用しています。また、遺伝子組換え食品の使用は避けています。さらに最近では、地元水産物も徐々に使われ始めました。

ア 今治市産特別栽培米(農薬・化学肥料それぞれ50%以上削減)の使用

学校給食に使う米は、玄米で保管し、月に1~3回精米して21か所の調理場に配達されています。そのため、「つきたて」、「炊きたて」のご飯が提供され、子ども達にはおいしいと好評です。

学校給食米用の精米機の写真
学校給食米用の精米機

学校給食で使用している今治市産特別栽培米は、愛媛県の「エコえひめ」の認証を受けているお米です。
愛媛県認証 エコえひめ特別栽培農産物のマーク

イ 今治市産小麦を使用した給食用パン

この地域では、はだか麦の栽培は盛んに行われておりましたが、小麦の栽培はほとんど行われていませんでした。そこで、平成12年に西南暖地用のニシノカオリという小麦の栽培を試験的に行い、翌年、その小麦を使用した今治市産小麦100%のパンを給食に提供しました。その後、小麦の栽培面積を広げ、供給初年度は、約2週間分しか供給できなかった今治市産小麦100%のパンが、現在は年間の6~7割程度供給できるようになりました。(現在はミナミノカオリの後継品種のせときららを使用)

 学校給食での今治市産パン用小麦の使用割合について(学校給食課のページ)

ウ 今治市産大豆を使った豆腐の使用

市内15か所の調理場では、各調理場が日程を合わせて「豆腐の日」を設定し、地元豆腐製造業者に今治市産のサチユタカという品種の大豆を使った豆腐を作ってもらって給食に使用しています。

豆腐の原料となる今治市産大豆も、愛媛県の「エコえひめ」の認証を受けている大豆です。
愛媛県認証 エコえひめのマーク

給食に使われる今治市産大豆については、外国産大豆との価格の差額を、市から補填しております。

エコえひめ

愛媛県特別栽培農産物等認証制度
化学合成農薬・化学肥料を県が定めた基準から5割又は3割以上削減し、生産情報を公表し適正な管理体制のもとで生産された農産物を「エコえひめ農産物」として県が認証し、信頼性のある県産農産物の生産振興を図るとともに、環境に優しい農業を推進しています。
地域の生産者がひと手間かけて生産した、環境にも人にもやさしい「エコえひめ農産物」を、今治市では学校給食で使用しています。
エコえひめ農産物のマーク

エコえひめについて詳しいことは愛媛県のホームページをご確認ください。

エ 今治市産野菜・果物の使用

野菜や果物についても、今治市産のものを多く使用するため、各調理場の栄養士たちは、旬を考慮したメニューづくりを心がけております。また、単に地元の食材というだけでなく、有機農産物や無農薬野菜の使用を進めています。

(ア)立花地区での取組

昭和58年の鳥生小学校の自校式調理場の建設に伴い、その校区で生産された有機農産物の学校給食での使用が始まりました。この取組は、その後、立花小学校、城東調理場(現在は吹揚小)にも拡大し、現在、約1,400食、市全体の約4%を占めています。

この取組は、旬の野菜を中心に行われ、生産者が順番に調理場まで届けています。この3調理場での今治市産有機野菜の使用割合は、年平均35%前後となっていますが、有機の割合が100%に満たないのは、この地方で栽培できない野菜などを他から購入しているためと旬の時期以外に恒常的に供給することが困難な野菜があるためです。

また、平成13年4月1日から改正JAS法が施行され、有機食品等の認証制度(有機JAS)がスタートした時には、いち早く生産者達がこの認証を取得しており、JAS認証を受けた有機野菜を使用している全国でもめずらしい給食が生徒たちに出されています。

現在は、立花地区以外にも有機野菜の導入を図るために、調理場単位での有機野菜の生産グループの結成を農家やPTAへ働きかけています。

JA今治立花のホームページにもこの地産地消の取組が掲載されています。
JA今治立花ホームページ「地産地消のお話」

(イ)立花地区以外での取組

今治市産の野菜や果物を多く使用するため、旬の時期の野菜や果物については、産地指定(毎月10~20品目程度は今治市産を指定)をしての入札を行っております。それらの取組により、令和3年度は、学校給食で使用される野菜や果物の約6割が今治市産となっています。
今治市産農産物の導入割合の詳細について(学校給食課のページ)

オ 地魚の導入

学校給食への地魚の使用は、供給体制の問題やコスト面などから困難でしたが、地元の各漁協の協力により、平成21年度から徐々に使用量が増え始めました。翌年度には、大三島漁協にある水産物加工場で加工処理(切り身など)して冷凍保存をすることで、大量に供給する体制ができたことから、日本でも有数の水揚げ量を誇る天然マダイを使った給食を、市内の全小中学生に振舞う取組を実施しました。この取組は現在も続いており、年に2回、天然マダイを使った給食をこどもたちに出しています。

カ 地産地消今治ブランド週間

平成21年度から、毎年11月から12月を地産地消今治ブランド月間と位置づけ、その間は市内のどこかの調理場で、1週間、すべて今治市産の食材(ただし、調味料、乳製品は除く)を使用した給食を実施しています。

(3)学校給食における地産地消推進事業

ア 大三島地区の学校給食における地産地消の取組

令和4年1月28日、大三島小学校・上浦小学校・大三島中学校・今治北高等学校大三島分校の4校の学校給食において、大三島で有機農業に取り組んでいる「大三島自然農法グループあしたも」の皆さんと大三島で、いのししの捕獲・解体処理から加工販売をされている「しまなみイノシシ活用隊」代表の渡邉秀典さんのご協力をいただきながら、~オール大三島産の農産物を使用した学校給食~と銘打った給食会を開催いたしました。

献立は、白ごはん、しし肉カレー、レモンドレッシングサラダ、やさいチップスでしたが、すべての献立に使用する農産物は大三島で収穫された有機農産物を使用し、しし肉カレーのしし肉は大三島で捕獲され、大三島の加工処理施設で加工されたいのししを使用しました。

提供された給食
提供された給食の写真
白ごはん、しし肉カレー、
レモンドレッシングサラダ、やさいチップス

 

児童生徒は、新型コロナウィルス感染症オミクロン株の感染急拡大に伴い、黙食での給食会となりましたが、食材を供給してくださった生産者の皆様の学校給食への想いなどをまとめた動画を鑑賞しながらおいしく食べることができました。

令和5年1月27日には、第2回目の「大三島育ちの有機給食の日」を実施しました。

今後におきましても、大三島地区では事業を継続していくこととし、同様の取組が他の地区でも実施できるよう、生産者の皆様をはじめとする関係者の方々と協力しながら地産地消の推進に努めていきたいと思います。

  • 写真1
    いただきます
  • 写真2
    生産者の方のメッセージ動画の鑑賞
  • 写真3
    おいしくいただいています
  • 写真4
    おいしくいただいています

生産者の皆様の想いをまとめた動画(令和4年度版)

お問い合わせ

農林水産課

電話番号:0898-36-1542
メール:nousui@imabari-city.jp
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