○今治市火災予防違反処理規程
平成17年1月16日
規程第41号
(趣旨)
第1条 この規程は、消防法(昭和23年法律第186号。以下「法」という。)及び今治市火災予防条例(平成17年条例第268号。以下「条例」という。)並びに石油コンビナート等災害防止法(昭和50年法律第84号。以下「石災法」という。)に定める火災の予防に関する法令違反(以下「違反」という。)の処理並びに火災予防上必要があると認める場合及び火災が発生したならば人命に危険であると認める場合の措置について、必要な事項を定めるものとする。
(1) 違反処理 警告、命令、特例認定の取消し、許可の取消し、告発、過料事件の通知、代執行又は略式の代執行によって違反の是正及び火災の予防又は出火危険、延焼拡大危険若しくは火災に係る人命危険(以下「火災危険」という。)の排除を図るための行政上の措置をいう。
(2) 不利益処分 行政手続法(平成5年法律第88号。以下「手続法」という。)第2条第4号に定める処分をいう。
(3) 聴聞 手続法第13条第1項の規定に基づき、予定される不利益処分に関して、審理の場において意見陳述及び質問等の機会を与え、意見を聴くことをいう。
(4) 弁明 手続法第13条第1項の規定に基づき、不利益処分の原因となる事実に関する意見陳述のための機会を与えることをいう。
(5) 警告 違反事項又は火災危険が認められる事項について、消防対象物又は危険物施設等(以下「対象物等」という。)の関係者に当該違反の是正又は火災危険の排除を促す意思表示をいう。
(6) 命令 法又は石災法の命令規定に基づき、強制的に違反の是正又は火災危険の排除を促す意思表示をいう。
(7) 催告 命令違反者に対して、当該命令事項の履行を督促する意思表示をいう。
(8) 履行期限 警告事項又は命令事項の履行に必要な合理的範囲内において定める時期をいう。
(9) 特例認定の取消し 法第8条の2の3第6項又は法第36条第1項において準用する法第8条の2の3第6項の規定に基づき、同条第1項の規定による認定の効力を消滅させる意思表示をいう。
(10) 許可の取消し 法第12条の2第1項の規定に基づき、法第11条第1項の規定による許可の効力を消滅させる意思表示をいう。
(11) 告発 刑事訴訟法(昭和23年法律第131号)第239条第2項の規定に基づき、違反事実を捜査機関に申告し違反者の訴追を求める意思表示をいう。
(12) 過料事件の通知 法第46条の5の規定に基づき、法第8条の2の3第5項又は法第17条の2の3第4項の規定による届出を怠った者を過料に処せられる者として管轄地方裁判所に通知することをいう。
(13) 代執行 命令による代替的作為義務の履行のない場合に、行政代執行法(昭和23年法律第43号)第2条の規定に基づき、義務者の履行すべき行為を命令者自らが行い、又は第三者に行わせ、当該行為に係る費用を義務者から徴収することをいう。
(14) 略式の代執行 法第3条第2項又は第5条の3第2項の規定により履行義務者を確知できず、命令を発することができない場合において、消防職員(以下「職員」という。)に措置をとらせる行為をいう。
(違反処理の主体)
第3条 違反処理は、消防長又は消防署長(以下「消防長等」という。)が主体となって行うものとする。
2 違反処理のうち、法第3条第1項及び法第5条の3第1項の規定による命令を行う場合は、職員がこれを行うことができる。
(違反処理上の留意事項)
第4条 違反処理は、次の各号に掲げる事項に留意して行わなければならない。
(1) 違反処理は、違反内容又は火災危険の重大性に着目し、時機を失することなく厳正かつ公平に行うものであること。
(2) 違反処理業務を行うに当たっては、関係者に対し誠実かつ沈着、冷静に対処するものであること。
(3) 違反処理を行った事案については適時、追跡査察を行い、その是正に努めること。
(違反処理基準及び措置区分)
第5条 違反処理は、この規定及び別に定める違反処理基準(以下「基準」という。)により行うものとする。
2 前項の規定にかかわらず、違反事実が明白で、かつ、火災予防上若しくは人命安全上猶予できないと消防長等が認める場合又は特異な違反事案の処理に係る場合は、基準に定める措置順序によらないことができる。
3 第1項の規定にかかわらず、別に定める合理的な理由が存することにより、基準による違反処理を行うことが適当でないと認められる場合は、違反処理を留保することができるものとする。
4 違反処理は、次に掲げる措置区分とする。
(1) 警告
(2) 命令
(3) 特例認定の取消し
(4) 許可の取消し
(5) 告発
(6) 過料事件の通知
(7) 代執行
(8) 略式の代執行
(違反の調査等)
第7条 職員は、職務の執行に際し違反事実を発見し、又は聞知した場合は、速やかに消防長等に報告しなければならない。
2 前項の報告を受けた消防長等は、職員に命じて速やかに違反の事実の調査にあたらせるものとする。ただし、立入検査等により違反の事実が確定している場合は、調査を省略することができる。
4 調査を行う職員は、調査上必要があると認めるときは、違反行為者から状況等を聴取し、質問調書(別記様式第3号)に記述しなければならない。
3 消防長等は、違反の事実が明白で、かつ、火災予防上必要と認める場合で前2項の警告書を発行するいとまがない場合は、違反の調査を命じた職員に口頭で必要な事項を警告させることができる。この場合において、事後に警告書を交付するものとする。
(履行状況の確認)
第9条 消防長等は、警告を行った場合は、必要に応じて当該関係者から履行計画書(別記様式第5号)等を提出させるとともに、職員に履行状況確認のための調査を行わせることとする。
(事前手続)
第12条 この規程において聴聞が必要な不利益処分は、別表第1に掲げるものとする。
2 前項に規定する聴聞に必要な手続は、今治市行政手続に係る聴聞規則(平成17年今治市規則第22号)により行うものとする。
3 この規程において、弁明の機会の付与が必要な不利益処分は、別表第2に掲げるものとする。
2 消防長等は、違反等の事実が明白で、かつ、火災予防上猶予できない場合で、前項による命令書を発行するいとまがない場合は、違反の調査等を命じた職員に当該関係者に対し口頭により命令事項を告知させることができる。この場合において、事後に命令書を交付するものとする。
3 法第3条第1項及び法第5条の3第1項の規定に基づく命令については、立入検査その他の業務の遂行中において、違反処理基準の命令の措置をとるべきものに該当する違反を発見した職員が命令書(別記様式第7号の5)を交付するものとする。
4 職員が緊急に措置する必要があると認める場合で前項の命令書を発行するいとまがないときは、口頭で必要な事項について命令することができる。この場合において、事後に命令書を交付するものとする。
(命令の通知等)
第14条 消防長等は、法第11条の5第2項の規定による命令を行った場合は、別に定めるところにより、当該移動タンク貯蔵所につき法第11条第1項の規定による許可を行った市町村長等に通知するものとする。
(教示)
第15条 命令を書面で行う場合又は利害関係者から教示を求められた場合は、行政不服審査法(平成26年法律第68号)第82条の規定により関係者に対し教示しなければならない。
2 取消訴訟を提起することができる処分又は裁決を書面で行う場合は、行政事件訴訟法(昭和37年法律第139号)第46条の規定により当該処分又は裁決の相手方に対し教示しなければならない。
(公示)
第16条 市長又は消防長等は、法第5条第1項、法第5条の2第1項、法第5条の3第1項、法第8条第3項及び第4項、法第8条の2第5項及び第6項、法第8条の2の5第3項、法第11条の5第1項及び第2項、法第12条第2項、法第12条の2第1項及び第2項、法第12条の3第1項、法第13条の24第1項、法第14条の2第3項、法第16条の3第3項及び第4項、法第16条の6第1項及び法第17条の4第1項及び第2項並びに法第36条第1項において準用する法第8条第3項及び第4項及び法第8条の2第5項及び第6項の規定による命令を行った場合は、当該命令に係る対象物等又は対象物等のある場所に標識(別記様式第9号又は第9号の2)を設置するほか、公報、掲示場への公告(別記様式第9号の3又は第9号の4)その他の方法により公示するものとする。
2 前項の公示は、命令を行った場合には、速やかに行い、当該命令の履行又は解除がなされるまでの間その状態を維持するものとする。
(命令の解除)
第18条 消防長等又は職員は、命令措置について受命者から命令要件の一部を履行したことにより命令の解除の申出があったとき、又はその事実を知ったときは、その履行状況を確認し、命令解除要件を満たすと認めた場合は、速やかに命令を解除するものとする。
(特例認定の取消し)
第19条 特例認定の取消しは、関係者に対し特例認定取消書(別記様式第12号又は別記様式第12号の2)を交付することにより行うものとする。
(許可の取消し)
第20条 許可の取消しは、関係者に対し許可取消書(別記様式第13号)を交付することにより行うものとする。
(告発)
第21条 消防長等は、違反が次の各号のいずれかに該当する場合は、違反者を告発するものとする。
(2) 第13条による命令に従わないとき。
(3) 火災等の災害の発生若しくは拡大又は死傷者の発生が法又は条例違反に起因したとき。
(4) 前3号のほか、特に告発の必要があると認めたとき。
(告発の手続)
第22条 告発をする場合は、当該違反事案の発生した場所を管轄する検察官又は司法警察員に対して行うものとする。
2 告発は、告発書(別記様式第14号)をもって行い、これに違反関係書類(写)、査察関係書類(写)、火災調査関係書類(写)、現場写真その他必要な資料を添付するものとする。ただし、緊急の場合で、文書により告発するいとまがないときは、口頭で告発することができる。
(告発協議)
第23条 署長又は予防課長は、告発事案が生じた場合は直ちに告発事務を行うとともに、消防長と必要な事項について協議しなければならない。
(告発留保)
第24条 署長又は予防課長は、告発事案が別に定める告発留保理由に該当するときは、告発の留保について消防長と協議をしなければならない。
(過料事件の通知)
第25条 消防長等は、法第8条の2の3第5項、法第17条の2の3第4項又は法第36条第1項において準用する法第8条の2の3第5項の規定による届出を怠った者を覚知した場合で、過料をもって対応すべき必要があると認めるときには、過料事件の通知をするものとする。
(手続)
第26条 過料事件の通知は、法第8条の2の3第5項、法第17条の2の3第4項又は法第36条第1項において準用する法第8条の2の3第5項の規定による届出を怠った者の住所地を管轄する地方裁判所に対して行うものとする。
2 過料事件の通知を行うときは、過料事件通知書(別記様式第15号)に次の資料を添付して行うものとする。
(1) 特例認定申請書(写)及び認定を受けた旨の通知書類(写)
(2) 賃貸借契約書等、管理権原者に変更があったことを証する書面(写)
(3) 過料に処せられるべき者の住所地等を証する資料
(代執行)
第27条 消防長等は、第13条の規定により命じた行為を関係者が履行しない場合で、告発又は他の方法によっては、その履行を確保できないと認めるときは行政代執行法の定めるところにより代執行を行うものとする。
2 代執行を行うときは、事前に執行に伴う作業、警戒、経費等の計画を立てなければならない。
(証票の携帯)
第28条 消防長等及びその他の職員が、執行責任者として代執行の現場に赴くときは、前条第3項の代執行執行責任者証を携帯し、要求があるときは、いつでもこれを呈示しなければならない。
(略式の代執行)
第29条 消防長等は、法第3条第1項又は法第5条の3第1項の命令に係る履行義務者を確知することができないために当該命令を発することができない場合には、法第3条第2項又は法第5条の3第2項の規定に基づき、職員に法第3条第1項第3号及び第4号に掲げる措置をとらせるものとする。
(警告書等の交付手続)
第30条 警告書、再警告書、命令書、催告書、命令解除通知書、特例認定取消書、許可取消書、戒告書、代執行令書及び代執行費用納付命令書(以下これらを「警告書等」という。)は、原則として当該関係者に直接交付し、受領書(別記様式第20号)に署名押印を求めておくものとする。ただし、受領拒否等の事由により直接交付できない場合は、配達証明、内容証明の取扱い等により郵送するものとする。
(関係機関との連携)
第31条 消防長等は、消防法令以外の違反が存する対象物の違反処理を行う場合、関係機関に十分な情報提供を行うとともに、関係機関との連絡調整に努めなければならない。
2 消防長等は、違反処理を行う場合で、必要事項を調査するうえで他に手段がないときは、他の関係官公署の事務に支障がないよう配慮しつつ、法第35条の13に基づく照会を行うものとする。
4 消防長等は、違反処理に関して関係機関より協力を求められたときは、必要に応じ協力するものとする。
(報告)
第32条 職員は、処理を行った場合は、違反処理報告書(別記様式第22号)により消防長等に報告しなければならない。
2 前項の違反処理報告書には、警告書等の写しを添付するものとする。
3 職員は、処理が完結したときは、違反処理完了報告書(別記様式第23号)により消防長等に報告しなければならない。
(返納命令の上申)
第33条 消防長等は、危険物取扱者免状及び消防設備士免状取得者が法令の違反行為を行った場合は、別に定めるところにより違反地を管轄する都道府県知事に上申しなければならない。
(委任)
第34条 この規程の実施について必要な事項は、消防長が別に定める。
附則
(施行期日)
1 この規程は、平成17年1月16日から施行する。
(経過措置)
2 この規程の施行の日の前日までに、解散前の今治地区事務組合消防違反処理要綱(平成14年今治地区事務組合消防本部要綱第2号。以下「要綱」という。)の規定によりなされた手続きその他の行為は、この規程の相当規定によりなされたものとみなす。
3 要綱の規定により作成された様式書類は、当分の間、所定の調整をして使用することができる。
附則(平成17年3月31日規程第44号)
この規程は、平成17年4月1日から施行する。
附則(平成17年9月30日規程第50号)
この規程は、平成17年10月1日から施行する。
附則(平成19年3月30日規程第7号)
この規程は、平成19年4月1日から施行する。
附則(平成23年2月4日規程第2号)
この規程は、平成23年4月1日から施行する。
附則(平成28年2月16日規程第2号)
この規程は、平成28年4月1日から施行する。
附則(令和元年6月18日規程第2号)
この規程は、令和元年7月1日から施行する。
別表第1(第12条関係)
聴聞が必要な不利益処分
| 処分内容 | 根拠条項 |
1 | 防火対象物点検の特例認定の取消し | 法第8条の2の3第6項 |
2 | 危険物施設の許可の取消し | 法第12条の2第1項 |
3 | 危険物保安統括管理者又は危険物保安監督者の解任命令 | 法第13条の24 |
4 | 防災管理点検の特例認定の取消し | 法第36条第1項において準用する法第8条の2の3第6項 |
別表第2(第12条関係)
弁明の機会の付与が必要な不利益処分
処分内容 | 根拠条項 | |
1 | 防火対象物に対する火災予防措置命令 | 法第5条第1項 |
2 | 防火対象物の使用の禁止、停止、制限命令 | 法第5条の2第1項 |
3 | 防火対象物における危険排除のための措置命令 | 法第5条の3第1項 |
4 | 防火管理者の行うべき業務についての措置命令 | 法第8条第4項 |
5 | 統括防火管理者の行うべき業務についての措置命令 | 法第8条の2第6項 |
6 | 危険物施設の使用停止命令 | 法第12条の2第1項及び第2項 |
7 | 予防規程の変更命令 | 法第14条の2第3項 |
8 | 防災管理者の行うべき業務についての措置命令 | 法第36条第1項において準用する法第8条第4項 |
9 | 統括防災管理者の行うべき業務についての措置命令 | 法第36条第1項において準用する法第8条の2第6項 |
10 | 防災規程の変更命令 | 石災法第18条第2項 |
11 | 特定事業所の施設の使用停止命令 | 石災法第18条第3項、第19条第6項及び第21条第3項 |
12 | 共同防災規程の変更命令 | 石災法第19条第5項 |
13 | 特定防災施設等の設置、維持命令 | 石災法第21条第1項第1号 |
14 | 特定防災施設等の点検実施、記録作成命令 | 石災法第21条第1項第2号 |
15 | 自衛防災組織等の設置命令 | 石災法第21条第1項第3号 |
16 | 防災管理者及び副防災管理者の選任命令 | 石災法第21条第1項第4号 |
17 | 防災規程の作成命令 | 石災法第21条第1項第5号 |
18 | 防災業務の運営改善命令 | 石災法第21条第2項 |