ヒトパピローマウイルス(子宮頸がん予防)ワクチンの接種について
平成25年4月1日から予防接種法改正により定期接種になりました。
予防接種の積極的勧奨の再開について
ヒトパピローマウイルス(子宮頸がん予防)ワクチンについては、厚生労働省の勧告(平成25年6月14日)に基づき、平成25年6月から、対象者(小学6年生〜高校1年生相当年齢の女性)の方へのご案内など、積極的な勧奨を差し控えていました。
しかし、最新の知見を踏まえ、安全性について特段の懸念が認められないことや、接種による有効性が副反応のリスクを明らかに上回ると認められたことから、子宮頸がん予防ワクチンの積極的な勧奨を令和4年4月1日より再開する旨が厚生労働省より通知されました。
このため、今治市からは令和4年4月以降に、対象となる方に対して、順次、勧奨通知をお送りいたします。接種をされるかどうかにつきましては、ワクチンの有効性や副反応などのリスクについて、次の資料などを参考にご検討のうえでご判断くださいますようお願いします。
子宮頸がん予防ワクチン接種の積極的勧奨の再開に関する資料
厚生労働省「ヒトパピローマウイルス感染症に係る定期接種の今後の対応について」(PDF 171KB)
ヒトパピローマウイルス感染症~子宮頸がん(子宮けいがん)とHPVワクチン~(厚生労働省)
お知らせ
ヒトパピローマウイルス(子宮頸がん予防)ワクチンのキャッチアップ接種の実施について
上記のとおり、ヒトパピローマウイルス(子宮頸がん予防)ワクチンについては、積極的な勧奨を差し控えていたため、接種の時期を逃してしまった方がいらっしゃいます。これらの方は積極的勧奨再開に伴い、自己負担なく接種を受けることができます。対象となる方や期間については次のとおりです。
対象者 | 平成9年4月2日~平成20年4月1日までの間に生まれた女性で今治市に住民票があり、子宮頸がん予防ワクチンの接種が完了していない方 |
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期間 | 令和4年4月1日から令和7年3月31日までの3年間 |
任意接種の費用を払い戻します
ヒトパピローマウイルス(以下、HPV)ワクチンについて、積極的勧奨の差し控えにより、定期予防接種の機会を逃し、対象年齢を過ぎてHPVワクチンを任意接種(自費)で受けた方に対し、今治市が定める額を上限として接種費用の払い戻し(償還払い)を行います。
「子宮頸がん」ってどんな病気?
子宮頸がんは、子宮の入り口付近にできるがんで、原因は、ヒトパピローマウイルス(HPV)への感染です。HPVは多くの場合、性交渉により感染すると考えられており、多くの女性が一生に一度は感染するごくありふれたウイルスです。
感染しても大部分は自然に排除されますが、まれにウイルスが残ることがあり、数年~十数年の経過を経て、子宮頸がんを発症することがあります。
日本では年間約11,000人が発症し、約2,800人が死亡すると推定されています。また、20歳代、30歳代で発症する人が増加しています。
HPVワクチン(子宮頸がん予防ワクチン)とは?
現在、日本国内で使用できるHPVワクチンは、サーバリックス(2価HPVワクチン)、ガーダシル(4価HPVワクチン)、シルガード9(9価HPVワクチン)の3種類があります。
200種類以上あるHPVの中で、少なくとも15種類が子宮頸がんを引き起こす可能性があるとされています。このうち16型、18型は子宮頸がんの原因の約50~70%を占めるといわれています。
2価ワクチンは16型と18型、4価ワクチンは16型と18型に加え尖圭コンジローマの原因であるといわれている6型と11型の計4種に対応しています。
(尖圭コンジローマ・・・直径1~3mm前後の良性のイボが性器や肛門のまわりにできる病気。痛みやかゆみがほとんどなく、さまざまな形状のイボができる。)
また、9価ワクチンはさらに5種(31型、33型、45型、52型、58型)に対応しており、先の2種を含めると子宮頸がんの原因の約80~90%を占めます。
海外や日本で行われた疫学調査(集団を対象として病気の発生などを調べる調査)では 、HPVワクチンを導入することにより、子宮頸がんの前がん病変を予防する効果が示されています。また、接種が進んでいる一部の国では、子宮頸がんそのものを予防する効果があることもわかってきています。
ただし、ワクチンを接種してもすべての子宮頸がんを予防できるわけではありません。初期の子宮頸がんには自覚症状がないので早期発見のため、20歳になったら定期的にがん検診を受けることが必要です。
接種回数・間隔について
HPVワクチン接種は、同じ種類のワクチンで接種を完了することを原則としています。
種類 | 接種回数 | 接種間隔 |
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2価ワクチン (サーバリックス) |
3回 | 1か月以上の間隔をおいて2回接種、1回目の接種から5か月以上かつ、2回目の接種から2か月半以上の間隔をおいて1回 |
4価ワクチン (ガーダシル) |
3回 | 1か月以上の間隔をおいて2回接種、2回目の接種から3か月以上の間隔をおいて1回 |
9価ワクチン (シルガード9) |
2回 ※1回目の接種を15歳未満で受ける場合 |
5か月以上の間隔をおいて2回接種 注)5か月未満の場合は2回目の接種から少なくとも3か月以上の間隔をおいて3回目が必要となる |
3回 ※1回目の接種を15歳以上で受ける場合 |
1か月以上の間隔をおいて2回接種、2回目の接種から3か月以上の間隔をおいて1回 |
副反応について
子宮頸がん予防ワクチンの副反応は以下のとおりです。
体調に変化がみられた場合は、医師にご相談ください。
発生頻度 | 2価ワクチン(サーバリックス) | 4価ワクチン(ガーダシル) | 9価ワクチン(シルガード9) |
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50%以上 | 注射部位の痛み・赤み・腫れ、疲労感 | 注射部位の痛み | 注射部位の痛み |
10~50% | 注射部位のかゆみ、腹痛、筋痛、関節痛、頭痛など | 注射部位の赤み・腫れ | 注射部位の赤み・腫れ、頭痛 |
1~10%未満 | じんましん、めまい、発熱など | 注射部位のかゆみ、頭痛、発熱 | めまい、吐き気、下痢、注射部位のかゆみ・内出血、頭痛、発熱、疲労など |
1%未満 | 注射部位の知覚異常、感覚鈍磨(しびれ感)、全身の脱力 | 注射部位のしこり、手足の痛み、筋肉のこわばり、腹痛、下痢 | 嘔吐、腹痛、筋肉痛、関節痛、注射部位の出血・血腫・しこり、倦怠感など |
頻度不明 | 手足の痛み、失神、リンパ節の炎症など | 失神、嘔吐、関節痛、筋肉痛、疲労など | 感覚鈍磨(しびれ感)、失神、手足の痛みなど |
重い副反応として、まれに呼吸困難やじんましん等(アナフィラキシー)、手足に力が入りにくい(ギラン・バレー症候群)、頭痛・嘔吐・意識低下(急性散在性脳脊髄炎(ADEM))等があらわれることがあります。
接種にあたって
接種を受けることができない人
- 明らかに発熱(通常37.5℃以上)している人
- 重篤な急性疾患にかかっていることが明らかな人
- HPVワクチン(子宮頸がん予防ワクチン)に含まれる成分で過敏症(通常接種後約30分以内に起こる呼吸困難や全身性のじんましんなどを伴う重いアレルギー反応を含む)を起こしたことのある人
- その他、医師が不適当な状態と判断した場合
接種を受ける際に注意が必要な人
- 心臓病、腎臓病、肝臓病、血液の病気や発育障害などの基礎疾患のある人
- 予防接種で、接種後2日以内に発熱のみられた人
- 過去にけいれん(ひきつけ)を起こしたことのある人
- 過去に免疫不全の診断がなされている人及び近親者に先天性免疫不全症の人がいる人
- 血小板が少ない人や出血しやすい人
- 妊娠または妊娠している可能性がある人
※妊娠中の接種に関する有効性・安全性及び授乳中の接種に関する安全性は確立していません。 - ※健康上や、通学等の理由により県外でワクチン接種をする場合、今治市長から実施市町村長宛に接種依頼状を発行しますので、該当するときは事前に今治市健康推進課までお問い合わせください。なお、その場合の接種費用についてはいったん自己負担になりますが、接種後償還払いの手続きができます。
接種後の注意点等
- 予防接種を受けた後30分程度は、急な副反応が起こることがあります。体調の変化に注意し、症状が表れたときには、医師にご相談ください。
※恐怖等を感じることにより、接種後、血管迷走神経反射として失神があらわれることがあります。
※失神による転倒等を防止するため、注射後の移動の際には、保護者または医療従事者が腕を持つなどして付き添うようにしましょう。 - 接種後、1週間は副反応の出現に注意しましょう。
- 接種部位は清潔に保ちましょう。入浴は差し支えありませんが、接種部位をこするのはやめましょう。
- 当日は、激しい運動は避けましょう。
接種医療機関
子宮頸がん検診について
HPVワクチン(子宮頸がん予防ワクチン)を接種した後も、すべての子宮頸がんを予防できるわけではありません。
今治市では、20歳以上の女性を対象に、子宮頸がん検診を行っています。
早期発見のためにも、20歳になったら、年に1回子宮頸がん検診をうけましょう!
定期接種における9価ヒトパピローマウイルスワクチン(シルガード9)の使用について
ヒトパピローマウイルス(以下、HPV)ワクチンについて、現在、公費で接種できるのはサーバリックス(2価)、ガーダシル(4価)ですが、令和5年4月1日からシルガード9(9価)も公費で接種可能になりました。
定期接種対象年齢の方に加え、令和7年3月31日まで実施されているキャッチアップ接種対象者の方も、公費で接種することが可能です。
実施にあたっては、接種開始年齢によって接種回数が変わりますので、このページの内容や資料等をよく読んでいただき、接種をご検討ください。
〈厚生労働省リーフレット〉
9価ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチン接種のお知らせリーフレット(定期接種版)(PDF 583KB)
9価ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチン接種のお知らせリーフレット(キャッチアップ版)(PDF 480KB)
〈参考ホームページ〉
9価ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチン(シルガード9)について(厚生労働省)
よくある質問
- 【質問】
- すでにサーバリックス(2価)またはガーダシル(4価)で接種を始めています。残りの回数の接種をシルガード9(9価)で実施すること(以下、交互接種)はできますか?
- 【回答】
- HPVワクチン接種は、同じ種類のワクチンで接種を完了することを原則としています。ただし、交互接種についても、安全性と免疫原性が一定程度明らかになっていることや海外での取扱いを踏まえ、適切な情報提供に基づき、医師と被接種者等がよく相談した上であれば、実施して差し支えないこととする予定です。(令和4年11月30日厚生労働省事務連絡より)
お問い合わせ
健康推進課(今治市中央保健センター)
電話番号:0898-36-1533
メール:kenkou@imabari-city.jp
〒794-0043 今治市南宝来町1丁目6-1 今治市中央公民館 1階